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ハーグ―スケベニンゲンへの道

Mauritshuis by FaceMePLS, on Flickr

ぶらりオランダの電車の旅に出てみませんか。オランダ“トレイン”紀行第2回「ハーグ―スケベニンゲンへの道」(音声SNSでVoiceLink™を用いて2013年3月18日22時からライブ放送)は、アムステルダム中央駅から電車で南に下ること約1時間、国際都市ハーグに到着します。 続きを読む

故意侵害の責任を免れるために鑑定書は複数必要か?

autographyauthSpence2CR米国特許侵害訴訟において故意侵害が認定されると、懲罰的賠償請求により損害賠償額が最大3倍にまで膨らむことがある。故意侵害の認定を避けるために、米国弁護士から非侵害の鑑定書を複数得ておくべきであるというアドバイスをよく聞く。予算に限りがある場合、鑑定書は本当に複数必要なのか? 続きを読む

アイントホーフェン―アートとテクノロジーの交叉点

Bowling by bas brosens, on Flickrオランダ・アイントホーフェン(Eindhoven)の街を歩いていると、突然強大なオブジェが目の前に現れる。電機メーカー・フィリップス社の本拠地であるこの街では、アートとテクノロジーが交錯する。世界でも有数の工業デザインの学校Design Academy Eindhoven、モダンアートの美術館Van Abbemuseum(ファン・アッベ美術館)。フィリップス社の独創的なプロダクトデザインはこのイノベーションの街から生まれている。 続きを読む

タリムマシーン―気の遠くなる時間の長さに思いを馳せる

Tarim Machine TU/e Eindhoven公園と思って歩いていたら、いつのまにかキャンパスにいた―オランダの工業都市アイントホーヘン(Eindhoven)の街に溶け込んだ、「校門」というものがないアイントホーヘン工科大学(TU/e)。その自然豊かなキャンパスには「イノベーターの土地」と書かれた看板が立つ。インダストリアルデザインの研究でも名高いこの大学でオランダの彫刻家、デザイナーGerrit Van Bakel (1943-1984) のTarim Machine (1982)という、長さ6メートルもあるなんとも不思議な作品に出会った。 続きを読む

特許登録後の発明者の訂正

特許庁なう特許出願が特許庁に係属している間は、手続補正によって願書に記載した発明者を訂正することができますが、特許権設定登録後は、発明者の訂正ができません。そのため願書に記載された発明者に漏れがあった場合でも、漏れていた発明者を特許公報や特許証に追記することはできません。 続きを読む

Apple対SamsungのiPad共同体意匠権侵害訴訟ードイツとオランダ

iPad_Jobs2011年8月6日Apple Inc.(米国) は、Samsung Germany(ドイツ)とSamsung(韓国)がApple社の共同体意匠権181607-0001(iPadの意匠権)を侵害したとして、ドイツのデュッセルドルフ地裁に仮差止請求を求めた。本訴訟では共同体意匠裁判所としての国際管轄権の範囲がドイツ国内に限られるか、EU全域に及ぶかが大きな問題となった。共同体意匠権はEU全体で一つの意匠権であるが、被告の一部にEU域外の会社(本訴訟ではサムスン(親会社)はEU域外)である場合、ドイツ地裁の判決の効力がEU全体に及ぶとは限らない。 続きを読む

差止請求認容判決の強制履行の手段ー間接強制

Patent troll spread illustration特許権や商標権の侵害で差止請求を認容する判決が出た場合、その判決を強制履行する手続に移る。裁判所で差止請求が認容されたからといって、被告が直ちに債務履行するとは限らないので、強制執行が必要になる。強制履行の手段として、直接強制、代替執行、間接強制の3通りがある。 続きを読む

米国特許法改革ー先願主義に移行するまでの長い道のり

Patent trolls cost companies $29 billion in 20112011年9月16日に成立した「米国発明法」(America Invents Act)により、米国は先発明主義から先願主義に移行する(先願主義の施行は2013年3月16日)。しかし、先願主義への道のりは平坦ではなかった。アメリカはシリコンバレーに見るように、なんといってもアントレプレナーの国である。イノベーションを担っているのは、大学や、個人発明家、ベンチャー企業であり、彼らはこぞって先願主義に反対したからである。先発明主義に至るまでのアメリカ社会の長い道のりを辿る。 続きを読む

もしソニーがiPhoneを作ったとしたら…

CIMG2945If Sony were to make an iPhone, what would it be like?
「もしソニーがiPhoneを作ったとしたら、どんなものになるだろうか」
アップルとサムスンがしのぎを削った米国特許侵害訴訟。2012年8月24日、カリフォルニア州連邦地裁の陪審評決によって約10億5千万ドル(約825億円)の損害賠償額が認定された。この裁判では、米国の訴訟手続きにディスカバリー(証拠開示手続)と陪審制度がなければ決して知ることのできなかったアップル製品の開発秘話が明るみに出された。

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米国民事訴訟のディスカバリー(証拠開示手続)

Supreme Court, Close Up裁判では証拠収集が勝敗を決める鍵である。日本では十分な証拠収集をしてから訴訟を提起するかどうかを考えるが、米国の民事訴訟では「ディスカバリー」と呼ばれる非常に強力な証拠収集手段が設けられており、訴訟提起してから証拠収集を始める。原告、被告双方の主張立証に必要な証拠をできるだけ裁判所に提出して公平な裁判を行おうという、英米法的な衡平の理念が根底にある。 続きを読む