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	<title>知的財産　法とビジネス</title>
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	<description>Ａｑｕｉｌａ’ｓ　Ｂｌｏｇ</description>
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		<title>シャルリー・エブド紙Tout est pardonné(All is forgiven)に込められた真意</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1415</link>
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		<pubDate>Wed, 14 Jan 2015 17:22:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[法律問題]]></category>

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		<description><![CDATA[襲撃事件後のシャルリー・エブド紙の今週号の表紙には「私はシャルリー」と書かれた紙をもったムハンマドの風刺漫画が描かれ、その上にフランス語でTout est pardonné（英訳するとAll is forgiven）と書 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="https://flic.kr/p/qNdTuU" target="_blank"><img class="alignnone" src="https://farm9.staticflickr.com/8583/16275635832_0d342cc1b3.jpg" alt="FRANCE-SHOOTING by scrolleditorial, on Flickr" width="500" height="344" /></a></p>
<p>襲撃事件後のシャルリー・エブド紙の今週号の表紙には「私はシャルリー」と書かれた紙をもったムハンマドの風刺漫画が描かれ、その上にフランス語でTout est pardonné（英訳するとAll is forgiven）と書かれています。これを受けて、日本の一部の新聞社は、表現の自由のもとなら、（ムハンマドの風刺も含めて）「何でも許される」という意味に取っているようです。しかし、これはAll is forgivenの真意を読み誤ったものだと思います。これは基本的な英語力もしくは国語力の問題であり、大変失望します。<span id="more-1415"></span></p>
<p>何でもやっていいよというのは「許可」を意味しますが、自分に悪いことをした人のことをゆるすというのは「責めない、とがめない」ことを意味します。私は前者を「許し」と書き、後者の場合は「赦し」と書くことで区別するようにしています。後者の「赦し」には、自分に悪くした人のことを憎まないという強い決意が必要であり、たやすくできるものではありません。あなたは自分の家族を殺した犯人を赦せますか？</p>
<p>シャルリー・エブド紙の弁護士は確かに、神を冒涜することも含めて表現の自由の権利を守るという趣旨の発言をしていますので、その流れで、宗教的権威を揶揄することも含めて「すべてのことは許される」という意味で報道陣が理解したのかもしれませんが、イスラム過激派がシャルリー・エブド紙の漫画家を殺害したことに対して、怒りの拳を挙げることが今週号の風刺漫画の趣旨ではないと思います。これは、今週号の表紙を描いた漫画家が涙を堪えながら行った記者会見を見てもわかることです。この風刺画を描き終えた作家がTout est pardonné（All is forgiven）と泣きながら叫んだことの真意はそこにあるのではありません。</p>
<p><a href="http://www.theguardian.com/media/2015/jan/13/charlie-hebdo-cover-magazine-prophet-muhammad" target="_blank">英ガーディアンの記事</a>はAll is forgivenの意味を正しく伝えています。シャルリー・エブド紙の女性コラムニストZineb El Rhazoui氏がこの言葉は「襲撃犯を人として赦すことへの呼びかけ」であると説明しています。</p>
<p>襲撃犯を憎み、ののしり、怒ることでは問題は解決しません。この闘いは、過激派思想に不幸にも洗脳された若者たちに向けられたものではなく、近代の価値観を暴力で覆そうとするイスラム過激思想に向けられたものです。憎しみに対する憎しみは問題をさらに複雑にしていきます。しかし、愛と赦しがそこに加わるとき、憎しみ合っていた人間同士の関係に変化の兆しが現れ始めます。</p>
<p>この地上において、正義と平和を同時に実現することはたいへん難しいことです。正義を振りかざしても和平が訪れることはありませんし、かといって、悪から目をそらして仲良くしても偽りの平和になるだけです。All is forgiven（すべては赦される）－この言葉には人類の未来が託されていると思います。</p>
<p>最後に、宗教を侮辱する表現の自由が許されるかという問題について触れたいと思います。これは非常に難しいテーマであると思います。私はキリスト教を真剣に信じる者の一人ですが、その立場からあえて申し上げますが、この社会で神を冒涜する自由がなければ、神を賛美する自由もないと私は考えています。</p>
<p>公の場で宗教を批判する自由を規制する社会は、個人が公の場で信仰を告白する自由も制限する可能性があります。アメリカ社会はそうなりつつあると思います。最近のアメリカ映画にGod&#8217;s Not Dead（邦題：<a href="http://www.godsnotdead.jp/" target="_blank">『神は死んだのか』</a>）がありますが、この映画の脚本は<a href="http://blog.cancaonova.com/catholicismanew/files/2014/03/GND_CasesDetailsCredits.pdf" target="_blank">アメリカの大学のキャンパスで起きた数々の訴訟事件</a>をもとに作られたもので、哲学の授業で「神は死んだ」と書いて署名するように教授に求められた学生が自分はクリスチャンだからという理由で署名を拒んだことから物語が始まります。アメリカの大学のキャンパスでは、教職員や学生の個人的な信仰のゆえに差別したり、侮辱することが問題となる一方で、大学教授が個人の宗教観について授業の中で触れたり、学生がレポートなどで自分の信仰について触れることも難しくなってきています。アメリカでは公共の場所で他人の信仰を侮辱できない（それは当然のことですが）と同時に、公共の場所で自分の信仰について語ることも難しくなっています。それは公共の場所で中立性を担保するためには良いことかもしれませんが、見方を変えれば、人に無宗教あるいは無神論であることを強要することでもあります。</p>
<p>特定の個人を、イスラム教徒だからという理由だけで、あるいは、キリスト教徒であるという理由だけで、ユダヤ教徒であるという理由だけで、差別することがあってはいけません。しかし、そのことと、宗教を風刺することとは別だと思います。宗教的権威を風刺することをやめると、宗教界が堕落してしまうこともあります。聞きたくないことにも耳を傾けることで、宗教的指導者が高ぶりや過ちを修正する機会が与えられることもあります。</p>
<p>宗教的権威を批判したり、宗教を侮辱することをよくないことだとして規制（自主規制も含みます）してしまうと、中世の抑圧の時代に逆戻りします。それは宗教を信じる人にとってもそうでない人にとってもたいへん不幸なことを招きます。神を冒涜したり、宗教を侮辱することも含めて、人間には自由があります。その自由を規制する社会は、個人が信仰を告白する自由も抑圧してしまう危険性があります。宗教について笑う自由とそれを聞く心のゆとりがある社会は、個人の信仰の自由も保障する社会だと思います。</p>
<p>宗教を信じる者であってもそうでなくても、ときに侮辱的と感じる表現に対して忍耐と寛容さを持たなければならないと思います。それは人間に学ぶ機会を与えます。（もちろん侮辱することだけを目的としたヘイトスピーチのようなものは別ですが。）そして、それは、キリストが十字架上で「父よ。彼らをお赦しください。」と敵のために祈りをされた、愛と赦しの精神に近づくことであると思います。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
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		<title>小保方晴子博士の「STAP細胞」特許出願は基本特許となるか？</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1381</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1381#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 31 Jan 2014 18:12:14 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[「数世紀に及ぶ生物細胞学の歴史を愚弄するものである」ー2012年、英Natureが彼女の論文の掲載を却下したときの査読者の評だという。理化学研究所の小保方晴子博士の発見したSTAP細胞はそれほどに「非常識」に満ちている。 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Stem cell research" href="http://www.flickr.com/photos/50129941@N07/4602237183/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Stem cell research" src="http://farm5.staticflickr.com/4004/4602237183_666dec1495.jpg" /></a>「数世紀に及ぶ生物細胞学の歴史を愚弄するものである」ー2012年、英Natureが彼女の論文の掲載を却下したときの査読者の評だという。理化学研究所の小保方晴子博士の発見したSTAP細胞はそれほどに「非常識」に満ちている。受精卵から体細胞へ分化すると、細胞は分化状態をメモリのように記憶しており、多能性細胞などの未分化細胞に戻る（初期化する）ことはないというのがかつての常識であり、体細胞を初期化するには高度な遺伝子操作が必要であると考えられていた。小保方博士の発見は、体細胞に一定のストレス（弱酸性の刺激）を与えることで、分化状態の記憶が消去され、多能性を再び獲得するということのようである。</p>
<p><span id="more-1381"></span></p>
<p>小保方博士は、大学院時代に留学していたハーバード大のチャールズ・バカンティ教授らと共同で国際特許出願（<a href="http://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/biblio?DB=EPODOC&amp;II=0&amp;ND=5&amp;adjacent=true&amp;locale=jp_EP&amp;FT=D&amp;date=20131031&amp;CC=WO&amp;NR=2013163296A1&amp;KC=A1" target="_blank">公開公報WO2013/163296 A1”Generating pluripotent cells de novo”</a>）をしている。門外漢の私には専門的で何もわからないだろうと思ったが、特許請求の範囲（クレーム）を読んで驚いた。請求項１には、</p>
<blockquote><p>1. A method to generate a pluripotent cell, comprising subjecting a cell to a stress.（「細胞をストレスにさらすことを備える多能性細胞生成方法」）</p></blockquote>
<p>と記載されているだけであり、素人の私でもわかる「そのまま」なのである。小保方博士の今回の発明をこれ以上広い権利で言い表すことはできないであろう。特許請求の範囲をいかに広く記載するかが、特許の価値を左右する。学者の特許出願は、いきおい学術的になりがちであり、特許請求の範囲に余計な専門的限定が含まれ、狭い権利となることが多い。小保方博士らの国際特許出願は、その点、特許請求の範囲の記載はいずれも非常に広く書かれており、この分野の特許出願としては優れものであると思う。彼女の発明がきわめてシンプルな発想から生まれていることも大きな要因であろう。請求項１がこのまま特許になれば、間違いなく世界を制覇する「基本特許」となるだろう。</p>
<p>しかし、残念ながら、ここまで広い権利を取得することは難しいだろう。国際特許出願をすると国際調査機関が先行技術を調査してサーチレポートを発行する。上記の公開公報の最後にはそのサーチレポートが添付されている。サーチレポートによれば、小保方博士の国際特許出願の請求項１は、別の日本人女性の先行技術により新規性がないとされている。その日本人女性とは、東北大学の出澤真理教授である。彼女もまた、「Muse細胞」という多能性幹細胞の発見者として有名である（４７ＮＥＷＳ<a href="http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041901000770.html" target="_blank">『</a><a href="http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041901000770.html" target="_blank">皮膚、骨髄に多能性幹細胞　「安全性高い」東北大』</a>参照）。出澤真理教授の国際特許出願（<a href="http://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/biblio?DB=worldwide.espacenet.com&amp;II=0&amp;ND=3&amp;adjacent=true&amp;locale=jp_EP&amp;FT=D&amp;date=20110120&amp;CC=WO&amp;NR=2011007900A1&amp;KC=A1" target="_blank">公開公報WO2011/007900 A1「生体組織から単離できる多能性幹細胞」</a>）には、</p>
<blockquote><p>生体がストレスに曝されたり、傷害を受けると休眠状態の組織幹細胞が活性化され、組織再生に寄与することが知られている。本発明者は、骨髄間葉系細胞画分や皮膚線維芽細胞画分等の間葉系細胞又は中胚葉系細胞を培養している際に種々の方法でストレス刺激を与え（例えば、無血清培養、Ｈａｎｋ’ｓ　Ｂａｌａｎｃｅｄ　Ｓａｌｔ　Ｓｏｌｕｔｉｏｎ（ＨＢＳＳ）による培養、低酸素培養、トータル３時間の間欠的短時間トリプシン培養、８時間若しくは１６時間の長時間のトリプシン培養等）、生存している細胞を集め、メチルセルロース（ＭＣ）含有培地中で浮遊培養（ＭＣ培養という）を行った。</p></blockquote>
<p>と記載されており、請求項１７には「生体組織由来細胞を細胞ストレスに暴露し生き残った細胞を回収することを含む多能性幹細胞又は多能性細胞画分を単離する方法。」が権利請求されている。「細胞をストレスにさらして多能性幹細胞を生成する」という基本アイデア自体は、どうやら小保方博士のオリジナルではないようだ。そうすると、どのような細胞にどのような状態でどのようなストレスを与えるかといった多能性細胞の生成の条件を限定することが特許取得のために必要となりそうである。</p>
<p>小保方博士の国際特許出願では請求項１３で、今回の弱酸性刺激以外にも様々なストレスが列挙されている。発明として完成している弱酸性刺激に限定するなら、特許が取得できる可能性は高い。また、サーチレポートを詳しく見れば、請求項７（「細胞が均一細胞集団にある」ことを限定）などには新規性または進歩性を否定する先行技術が少なくとも国際調査段階では発見されておらず、今後の世界各国（特に米国、日本、欧州）での出願審査を経てみなければわからないが、かなり広い権利が狙える余地も残されている。日本発の世紀の大発明に強力な特許権が付与されることを期待しながら、今後の特許出願審査の経過を見守りたい。</p>
<p>それにしても、 小保方博士の特許出願は、<a href="https://www.google.co.jp/url?sa=t&amp;rct=j&amp;q=&amp;esrc=s&amp;source=web&amp;cd=1&amp;cad=rja&amp;ved=0CCcQFjAA&amp;url=http%3A%2F%2Fwww.google.com%2Fpatents&amp;ei=9N3rUrXpO4WAlQX5soCYAg&amp;usg=AFQjCNG_XlAI_9dSaH28NeN5O6bXJSSuSw&amp;sig2=FcsDkjVxSSTtjMeo3lr5Rw&amp;bvm=bv.60444564,d.dGI" target="_blank">Google Patent Search</a>で&#8221;haruko obokata&#8221;と入力するだけで誰でも閲覧できるのだから、日本のマスメディアは、「リケジョ」を追いかけ回す前に、論文を取り寄せたり、特許出願を検索してみるなど、もう少し自分で彼女の研究成果を調べる努力をしてみてはどうかと思う。特許出願には論文には記載されない技術情報があったり、研究開発の苦労や方向性などが示唆されていることもあり、第一級の資料である。ここからまだまだいろいろなことが読み取れるだろう。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>『永遠の0』ー零戦の左捻り込みと「逆転洗濯機」の発明</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1342</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1342#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 24 Jan 2014 06:56:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[今年になって映画『永遠の0』を観ましたが、宮部久蔵（岡田准一）は、宮部をライバル視する熟練パイロットの景浦（新井浩文）との模擬空戦で、前から突如消えたと見せかけて、気が付いたら景浦の背後にぴたりとつけていたという、見事な [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="「永遠の0」を観ました" href="http://www.flickr.com/photos/42764559@N08/11702942126/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="「永遠の0」を観ました" src="http://farm4.staticflickr.com/3810/11702942126_43de1f77c0_m.jpg" /></a>今年になって映画<a href="http://www.eienno-zero.jp/index.html" target="_blank">『永遠の0』</a>を観ましたが、宮部久蔵（岡田准一）は、宮部をライバル視する熟練パイロットの景浦（新井浩文）との模擬空戦で、前から突如消えたと見せかけて、気が付いたら景浦の背後にぴたりとつけていたという、見事な旋回飛行を見せます。あれは「左ひねり込み」という技で、熟練パイロットが使う魔法の技だそうです。しかし、零戦に「左捻り込み」はあっても、「右捻り込み」はありません。<span id="more-1342"></span></p>
<p>第二次大戦中の戦闘機の中でも屈指の運動能力を誇った零戦ですが、旋回能力は左右で違っていたのです。零戦は左旋回は得意ですが、右旋回能力には弱点がありました。一般にプロペラが高速に回転すると反作用により機体が逆方向に回転する力を受けて機体が傾きます。そこで、零戦は、わざと左右の揚力が不均衡になるように機体を左右非対称に設計していました。そのため、左旋回はできても右旋回はうまくできないのです。『永遠の0』をこれから鑑賞される方は、宮部の零戦の「左捻り込み」の技に注目してご覧になると面白いと思います。</p>
<p>このプロペラの回転により生じる反作用を打ち消すために、逆方向に回転する副プロペラを設けた「二重反転プロペラ機構」が後の戦闘機に採用されるようになりますが、第二次大戦当時はまだ試作レベルでした。</p>
<p>零戦からさらに話は飛びますが、洗濯機の脱水槽も、もの凄いスピードで回転しますから、その反動で洗濯機がひっくり返るのではないかと思ったことはないでしょうか。脱水槽と洗濯槽が別だった昔の「白い」洗濯機（当時、洗濯機と言えば白しかなかった）は、脱水すると洗濯機がガタガタと激しく振動して壊れるのではないかと思ったものです。あれが高速回転による「反作用」です。</p>
<p>内槽と攪拌器とが互いに反対方向に回転する機構を設けた中国発の洗濯機の発明<a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2014/01/JPA_2005505393.pdf" target="_blank">（特表２００５－５０５３９３号「逆転洗濯方法および伝動機」</a>）が日本に出願されました。この発明が解決する課題は、回転による反作用を打ち消すことではなくて、双方向洗濯によって洗濯清浄度を高めることですが、構造的には、「二重反転プロペラ機構」に似ています。特許庁は「二重反転プロペラ機構」のアイデアを洗濯機に適用することは容易であるとして、発明の進歩性を否定して特許出願を拒絶する審決をしました。</p>
<p>この特許庁のした審決が知財高裁で争われました（<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111006132823.pdf" target="_blank">平成22年(行ケ)第10298号　審決取消請求事件　平成23年10月4日　知的財産高等裁判所</a>）。知財高裁は、逆転洗濯機と二重反転プロペラでは、技術分野が相違し、その設計思想も大きく異なり、解決課題も大きく隔たっていることから、洗濯機の動力伝達機構を改良する際、船舶等の二重反転プロペラの技術を適用することは困難であると判断しました。戦時中の戦闘機プロペラ技術をもってきてハイテク洗濯機の発明の進歩性を否定されたら発明者はたまったものではありません。</p>
<p>我が家の洗濯機の脱水槽が回転する様子を見ながら、零戦を旋回させながら敵艦に向かって降下して最期を遂げた宮部の姿を思い出していました。</p>
<p>なお、「逆転洗濯機」事件の判決については「 ぱっと見！判決」で専門的に解説しましたので、ご覧いただければと思います（<a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/1347" target="_blank">「</a><a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/1347" target="_blank">逆転洗濯機と二重反転プロペラでは解決課題が大きく隔たる</a><a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/1347" target="_blank">」</a>）。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>逆転洗濯機と二重反転プロペラでは解決課題が大きく隔たる</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1347</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1347#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 24 Jan 2014 06:39:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ぱっと見！判決]]></category>

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		<description><![CDATA[［カンケツハンケツ®］ 本件発明とは解決課題が大きく隔たる引用発明を組み合わせて進歩性を否定することには慎重であるべき。 平成22年(行ケ)第10298号　審決取消請求事件　平成23年10月4日　知的財産高等裁判所 ［判 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="散花" href="http://www.flickr.com/photos/7224331@N03/3205131853/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="散花" src="http://farm4.staticflickr.com/3111/3205131853_52e0e69a94_m.jpg" /></a>［カンケツハンケツ®］<br />
本件発明とは解決課題が大きく隔たる引用発明を組み合わせて進歩性を否定することには慎重であるべき。<span id="more-1347"></span></p>
<p><a href="http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111006132823.pdf" target="_blank">平成22年(行ケ)第10298号　審決取消請求事件　平成23年10月4日　知的財産高等裁判所<br />
</a></p>
<p>［判旨］<br />
補正発明（補正後の本件発明）は「洗濯機での使用に適した伝動機構」、刊行物１発明は「洗濯兼脱水槽を備えたいわゆる一槽式脱水洗濯機」、刊行物２発明は「主として船舶に用いられる二重反転プロペラのための反転装置」に関するものである。</p>
<p>「軽量な衣類を洗濯するための動力伝達機構と，重量のある船舶を推進させるための動力伝達機構とでは，設計思想に大きな相違が存在することが技術上明らかであ」るが、特許庁は、技術分野の異なる刊行物１発明（主引例）と刊行物２発明（副引例）を組み合わせて、補正発明には進歩性がないとした。</p>
<p>刊行物２発明は，「主プロペラの回転により生じる反トルクを打ち消すために，主プロペラとは逆方向に回転する副プロペラを設けた」二重反転プロペラ機構に関するものであり、主に飛行機や船舶等で用いられる。「空中や水上を走行する飛行体や船舶は，地上に配置された物体や地上を走行する走行体と比較して姿勢が安定しないため，推進用の主プロペラを高速で回転させるほど，これとは逆方向に姿勢が傾く傾向が大きくなることから，副プロペラを設けて，これを主プロペラとは逆方向に回転させることによって，主プロペラの回転に起因した姿勢の傾きを抑制する必要がある」という理由からである。</p>
<p>「刊行物１発明は，衣類の洗浄力の向上を課題とした技術であるのに対して，刊行物２発明は，船舶等の姿勢の安定化を本来的な課題とした船舶等に固有の技術である点で，両者の解決課題は大きく隔たっている。」</p>
<p>「刊行物１発明の洗濯機の動力伝達機構と，刊行物２発明の船舶等の二重反転プロペラの動力伝達機構とは，技術分野が相違し，その設計思想も大きく異なることから，洗濯機の技術分野に関する当業者が，船舶の技術に精通しているとはいえず，洗濯機の動力伝達機構を開発・改良する際に，船舶等の分野における固有の技術である二重反転プロペラに類似の技術を求めることは，困難であるというべきである。また，洗濯機は，通常，床面上に設置して安定な状態で使用されるから，撹拌機や内槽の回転によって生じる反トルクの問題を考慮する必要がないことが一般的であると解される。」</p>
<p>「したがって，当業者が，洗濯機の分野では本来的に要求されない二重反転プロペラに関する刊行物２の記載事項を，刊行物１発明に適用することは困難であ」るとして、特許庁の拒絶審決には取り消されるべき理由があるとした。</p>
<p>特許庁は、「刊行物１発明と刊行物２発明とは，伝動機構である点で同じ技術分野に属するものであり，また，１つの駆動力入力を２つの駆動力出力へと変換する，動力を伝達するという共通した作用，機能を有すると主張」していたが、裁判所は「解決課題が大きく隔たっている公知技術を組み合わせるに当たって，両者が動力伝達機構という汎用性の高い一般的技術分野に属するとしてその容易性の有無を判断することは慎重でなければなら」ないとして、特許庁側の主張を退けている。</p>
<p>［解説］<br />
本事件において、知財高裁（第二部塩月判事）は、「本件のように複数の発明を組み合わせて出願された発明の進歩性を否定しようとする場合には，それぞれの発明の技術分野，解決課題，組合せの動機付け等を具体的に検討しなければならない。刊行物１発明と刊行物２発明とは，前記のとおり，技術分野が異なるだけでなく，その解決課題も大きく隔たり，組合せの動機付けも明確でないから，被告の主張は採用することができない。」と述べている通り、技術分野が異なり、解決課題が大きく隔たっていたとしても、組合せの動機付けが明確にあるならば、刊行物２発明を刊行物１発明に組み合わせて本件発明は容易想到であるとする論理付けの余地も残している。発明の進歩性の判断は結局のところ、さまざまな要素を考慮に入れた総合判断によらなければならない。</p>
<p>弁理士　青木武司</p>
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		<title>分離壁を超えて向こう側へ行く</title>
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		<pubDate>Sat, 18 Jan 2014 05:36:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
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		<description><![CDATA[映画『もうひとりの息子』を観てきた。日本でも話題になっている赤ちゃんを取り違えた話だが、この悲劇がイスラエルとパレスチナの間で起きたことが、ふたつの家族という個人的な問題を超え、国家、民族、宗教といった社会的アイデンティ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><iframe src="//www.youtube.com/embed/mh4TS06P3SM" height="315" width="560" allowfullscreen="" frameborder="0"></iframe><br />
映画<a href="http://www.moviola.jp/son/index.html" target="_blank">『もうひとりの息子』</a>を観てきた。日本でも話題になっている赤ちゃんを取り違えた話だが、この悲劇がイスラエルとパレスチナの間で起きたことが、ふたつの家族という個人的な問題を超え、国家、民族、宗教といった社会的アイデンティティのレベルで個々の魂を揺さぶることになる。<span id="more-1336"></span>しかし予想していたほど、パレスチナ問題の戦闘の生臭さは描かれていない。描かれているのは、むしろ、政治的都合で「あちら側」と「こちら側」とに分断された、生温かい人間同士の魂の接触とすれ違いである。</p>
<p>パレスチナ自治区に病院を作る夢をもつ弟が実はユダヤ人家族の子であることを知った兄と、一人息子がヨルダン川西岸地区に住むアラブ人家族の子であることを知ったイスラエル国防省の父。彼らの心の葛藤が、パレスチナ問題を背景とするこの物語に緊張感を与えている。</p>
<p>分離壁を行き来して互いの家族に会うようになるふたつの家族。ヨルダン川西岸地区に私服で足を踏み入れたイスラエル軍人の父に、敵対するアラブ人の家族の兄が差し出したのは、「ナイフ」ではなく、握手を求める右の手だった。</p>
<p>パレスチナをイスラエルから分離する壁はなくならないが、心の分離壁をようやく乗り越えていくユダヤ人家族とアラブ人家族。中東紛争が作り出した「敵意」を乗り越えるのは、銃でも爆弾でもなく、生身の人間の苦悩する愛である。</p>
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		<title>今年ついた嘘を確実に取り消してもらう方法</title>
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		<pubDate>Wed, 18 Dec 2013 11:50:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[知財実務]]></category>
		<category><![CDATA[米国実務]]></category>

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		<description><![CDATA[医療法人「徳洲会」グループから５千万円を受け取った問題で猪瀬東京都知事の釈明が二転三転している。ひとつの小さな嘘を隠そうとするとさらに嘘をつかなければならなくなり、たくさんの嘘の間でつじつまが合わなくなってしまう。最初か [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Naoki Inose Governor of Tokyo Metropolitan Government, at Nishi Shinjuku on Dec. 19, 2012. Hodo-bu Nagata interview. MIURA PHOTO." href="http://www.flickr.com/photos/18582488@N07/8980562375/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Naoki Inose Governor of Tokyo Metropolitan Government, at Nishi Shinjuku on Dec. 19, 2012. Hodo-bu Nagata interview. MIURA PHOTO." src="http://farm8.staticflickr.com/7428/8980562375_d0cf09deb9_m.jpg" /></a>医療法人「徳洲会」グループから５千万円を受け取った問題で猪瀬東京都知事の釈明が二転三転している。ひとつの小さな嘘を隠そうとするとさらに嘘をつかなければならなくなり、たくさんの嘘の間でつじつまが合わなくなってしまう。最初から嘘をつかなければいいのだが、嘘をついてしまったら、まずは素直に認めることだ。今日は、米国で特許を取得する手続の中で、嘘をついたらどうなるか、そしてその嘘を取り消してもらうにはどうすればよいか、アメリカの訴訟事件から学んでみよう。年の瀬である。今年一年自分のついた嘘を振り返り、嘘を取り消したいと悩んでおられるのは都知事だけではなかろう。人は嘘をつく動物なのだから。<span id="more-1314"></span></p>
<p>2013年10月9日にCAFC判決が出<a href="http://caselaw.findlaw.com/us-federal-circuit/1646494.html" target="_blank">たIntellect Wireless, Inc. v. HTC Corp. (Fed. Cir. 2013) </a>を取り上げる。インテレクト社の米国特許出願の発明者であるヘンダーソン氏は、出願審査において、出願日よりも前に公知となっていた先行技術を回避するために、自分の発明は先行技術よりも先に発明されたものであることを宣言する宣誓供述書を提出した。先発明主義（旧法）のもとでは、出願日から発明日に遡って、自分の発明が先行技術よりも先に完成した発明であることを立証（&#8221;swear behind&#8221;と呼ばれる）して先行技術を回避することができる。</p>
<p>しかし、裁判において双方が認めているように、ヘンダーソン氏の最初の宣誓供述書には虚偽が含まれていた。米国では、特許を取得する過程で不公正行為（inequitable conduct）があると、特許を権利行使することができなくなる。</p>
<p>ヘンダーソン氏がついた嘘はこういうものである。「本発明は現実に実施化され（actually reduced to practice）、1993年7月のミーティングでデモをした。」</p>
<p>ここで、米国における発明日の認定について解説が必要である。発明は、着想（conception）の段階（発明をひらめいたり、思いついたりする段階）と、着想の具体化（reduction to practice）の段階（思いつきを具体的な問題解決手段に落とす段階）に分かれる。「発明日」とは、基本的には、着想を得た日（思いついた日）ではなく、「着想の実施化（具体化）」（reduction to practice）をした日である。</p>
<p>この「着想の実施化」には二通りあり、その一つが「現実の実施化」（actual reduction to practice）である。ヘンダーソン氏は、「現実の実施化」の日がデモを行った1993年7月であると宣言したのである。これが本当であれば、発明日は、出願日より前である1993年7月であり、自分の発明は先行技術よりも前に完成した発明であると主張して、先行技術を回避することができる。</p>
<p>しかし、証拠によれば、本発明が現実に実施化されたという事実はない。ヘンダーソン氏は虚偽の宣誓を行っていたのである。</p>
<p>ところが、ヘンダーソン氏は、特許出願の審査過程で、宣誓供述書の訂正版を提出しており、インテレクト社の代理人弁護士の主張によれば、発明者は訂正版宣誓供述書において「現実の実施化」ではなく「擬制的実施化」（constructive reduction to practice）に主張を切り替え、審査官にもそれを説明し、審査官は「擬制的実施化」に依拠して特許出願を許可し、特許が発行されるに至ったというのである。</p>
<p>また解説が必要になった。先に「着想の実施化」には二通りあると書いたが、そのもう一つが「擬制的実施化」である。「擬制」というのは法律用語で、「みなす」という意味である。現実の実施化はしていないが、「実施化」（reduction to practice）をしたとみなすという意味である。「実施化」とみなされる行為として代表的なものは、「特許出願」である。特許出願をする際、発明の詳細な説明に実施例を書くが、これは当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載しなければならない。したがって特許出願をするためには、発明が着想の段階にとどまっていただけでは不十分であり、実施例を記載できる程度に具体化されていなければならない。このことから、記載要件を満たした特許出願をしたということをもって、発明が具体化（実施化）されたとみなしてもよいということである。これが「擬制的実施化」である。</p>
<p>特許出願という「擬制的実施化」が認められても、出願日は先行技術の公知日よりも後なのだから、それ自体ではどうしようもないのであるが、発明の着想（conception）から実施化（reduction to practice）までの間、勤勉な努力（due diligence）を継続していた場合、発明日は、実施化の日から着想を得た日にまで遡ることができる。ヘンダーソン氏は、発明の着想の日から特許出願までの勤勉な努力（特許出願書類を準備するに当たって実施例を考えたり、プロトタイプを作るなど）を続けたから、着想の日を発明日として認定するよう、審査官に求めたのである。</p>
<p>簡単に言えば、ヘンダーソン氏は、現実に実施化をしたという最初の話は間違いだったかもしれないが、実施化とみなされること（特許出願）はしたし、それに至るまで継続的に努力もしたのだと言い直したのである。このあたり、いろいろ追求されると、記憶にないと言いながら、弁解する政治家の答弁みたいで面白いと思う。実際、裁判所は、ヘンダーソン氏は、訂正版宣誓供述書によって、良く言っても「真実をわかりにくくした（obfuscated the truth）」だけだと、つれない。</p>
<p>裁判所は過去の判例を引用して、宣誓供述書の虚偽を訂正するなら、具体的にどこに虚偽があるのかを明確に陳述するべきであり、事実に関して虚偽があるなら、本当の事実は何であるのかを知らせるべきであると指摘している。嘘をついた人間にはつらいことであるが、何が嘘であって、真実は何であるかを明らかにして初めて、過去についた嘘を取り消してもらえるのである。それをしなかったヘンダーソン氏は、訂正版宣誓供述書においても過去の虚偽を明確に否定したのではないのであるから、依然として不公正行為があることに変わりがないとして、控訴裁判所は、特許は権利行使不能であるとした地裁判決を維持した。</p>
<p>嘘はすべてを無に帰し、取り返しのつかないことになった。最初についた嘘はすぐに素直に認めよう。肝に銘じたい。</p>
<p>なお、本事件は、本来は、「不公正行為」の判断基準を厳格化したTherasense事件大法廷判決の観点から解説すべきものであるが、それについてはまた日を改めて書きたいと思う。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
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		<title>「あらゆる一般化は間違っている。これも含めて」</title>
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		<pubDate>Tue, 03 Dec 2013 12:43:53 +0000</pubDate>
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		<description><![CDATA[「あらゆる一般化は間違っている。これも含めて」とは、『トム・ソーヤーの冒険』の著者マーク・トウェインの名言である。「男は信用ならぬものだ」などと安易な一般化で人間や物事を理解したつもりになることを戒めたものであろう。「あ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="All generalizations are false, including this one. (Mark Twain) http://bit.ly/14kY36b" href="http://www.flickr.com/photos/78544731@N00/8645423091/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="All generalizations are false, including this one. (Mark Twain) http://bit.ly/14kY36b" src="http://farm9.staticflickr.com/8523/8645423091_9fd628de82_m.jpg" /></a>「あらゆる一般化は間違っている。これも含めて」とは、『トム・ソーヤーの冒険』の著者マーク・トウェインの名言である。「男は信用ならぬものだ」などと安易な一般化で人間や物事を理解したつもりになることを戒めたものであろう。「あらゆる一般化は間違っている」と一般化すること自体も、間違いであると自戒を込めたのはウィットに富んでいる。今日は、マーク・トウェインに敬意を払い、特許請求の範囲（特許の保護を求める範囲）の「一般化」の話をしよう。<span id="more-1298"></span></p>
<p>欧州特許庁から欧州特許出願の拒絶理由として、特許請求の範囲に記載された請求項の補正が許可されないIntermediate Generalisation（中間的一般化）に該当し、新規事項の追加である（EPC123(2))との通知を受け取ることがある。Intermediate Generalisationとは欧州特許庁(EPO)の審査ガイドラインに記載されたもので、EPOの審査に特有の概念であると思う。</p>
<p>Intermediate Generalisationとは、明細書の実施の形態に複数の特徴の組み合わせが開示されている場合に、その複数の特徴の組み合わせから、ある特定の特徴だけを抽出して請求項を限定する補正のことである。そのような補正が許されるのは、複数の特徴の間に構造上および機能上の関係がない場合に限られるというのが、EPOの審査基準である（<a href="http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/html/guidelines/e/h_v_3_2_1.htm" target="_blank">Guidelines for Examination H-V, 3.2.1</a>）。密接不可分な複数の特徴の組み合わせから特定の特徴だけを抽出して請求項を補正することを許すと、明細書には開示されていなかった主題が特許されることになってしまうからである。</p>
<p>複数の特徴の組み合わせから特定の特徴だけを取り出して請求項に追加した場合、他の特徴は請求項からは省略される。省略された他の特徴が、課題を解決するために不可欠な構成である場合、その不可欠な他の特徴を欠いた請求項は、明細書に開示された内容を超えて一般化された主題について保護を要求するものとなる。EPOはそのような補正をunallowable  intermediate generalisationまたはundisclosed  intermediate generalisationとして禁止する。補正するならば、課題を解決するために不可欠な他の特徴とともに追加しなければならない。</p>
<p>一例として、EPO審決<a href="http://www.epo.org/law-practice/case-law-appeals/recent/t040166eu1.html" target="_blank">T166/04</a>を紹介する。この事件では、マルチプロセッサシステムにおけるデータブロックのアクセスの順序付けのためのシリアライゼーションポイントについて機能的に記載した請求項に対して、キャッシュコヒーレンシーアーキテクチャの構成の一部として明細書に開示された特定の特徴を追加した補正が問題とされた。その追加された特定の特徴は、他の特徴と密接不可分に関連してキャッシュコヒーレンシーを達成するものであるから、その特定の特徴だけを他の特徴から切り離して請求項に追加する補正は、明細書の開示内容を超えるものであるから、許されないとされた。</p>
<p>このように密接不可分に関連し合って一定の目的を達成する複数の特徴の組み合わせから、特定の特徴を不可欠な他の特徴から分離し、請求項を限定するために用いることは、unallowable/undisclosed  intermediate generalisationとして禁止されるが、Intermediate Generalisation自体が禁止されているのではないことに留意されたい。ある特定の特徴が他の特徴と密接不可分に関連しておらず、他の特徴が課題解決のために必須でなく、その特定の特徴を分離して一般化に用いることが明細書の開示内容全体から合理的に理解できるものであるなら、そのようなIntermediate Generalisationは許される。</p>
<p>発明を開示する際、複数の特徴の組み合わせから特定の特徴を切り離して抽出することが無理なくできるように、他の特徴が必須ではなく、特定の特徴だけでも課題を解決できることを明確にしておくなど、明細書の記載の仕方には工夫が求められる。また、特定の特徴だけを抽出して補正する際は、それが許されるべきIntermediate Generalisationであることの主張立証をEPO審査基準に照らして丁寧に行うことが求められる。</p>
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		<title>「クルルンポイ」の損害賠償額の増額判決は外国企業に朗報</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1278</link>
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		<pubDate>Fri, 01 Nov 2013 11:29:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[「におい・クルルンポイ」という商品をお使いでしょうか？赤ちゃんのおむつをくるるんっとフィルムに包んでポイっと捨てるものです。子どもが大きくなった私にはもう関係ないですが、おむつはトイレには流せないのでこれは助かりますよね [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft" alt="cloth nappies (diapers) on the line" src="http://farm6.staticflickr.com/5267/5759893591_5087fbcd5e_m.jpg" width="240" height="159" /><a href="http://www.combi.co.jp/products/diaper/kurupoi/" target="_blank">「におい・クルルンポイ」</a>という商品をお使いでしょうか？赤ちゃんのおむつをくるるんっとフィルムに包んでポイっと捨てるものです。子どもが大きくなった私にはもう関係ないですが、おむつはトイレには流せないのでこれは助かりますよね。この製品、日本ではコンビ株式会社が販売していますが、製造元はSangenicというイギリスの会社であり、英国では<a href="http://www.tommeetippee.co.uk/department/nappy-disposal-systems/" target="_blank">Nappy Disposal System</a>として販売されています。<span id="more-1278"></span></p>
<p>サンジェニック・インターナショナル・リミテッド（以下「英サンジェニック社」）は、赤ちゃんの使用済み紙おむつ処理容器のカセットに関して、日本において特許権（特許第４４０２１６５号「ごみ貯蔵機器」）をもっていますが、日本には子会社がないようです。英サンジェニック社は、当初、大阪のアップリカ・チルドレンズプロダクツ株式会社を日本における総代理店として包括的な販売代理契約を締結し、アップリカ社は英サンジェニック社の製品を輸入して「におわなくてポイ」という商品を販売していましたが、2008年に販売代理契約は満了し更新されませんでした。英サンジェニック社は、その後、東京のコンビ株式会社を日本における総代理店とし、コンビ社が英サンジェニック社の製品を輸入し、「におい・クルルンポイ」の容器とカセットを販売しています。一方、販売代理契約を切られたアップリカ社は、「におわなくてポイ」用のカセットの販売を続けていたようです。おむつ処理容器は、カセットを交換して取り付けて使用するものであり、プリンタのインクカートリッジと同様、カセット（消耗品）の販売も大きなビジネスになります。おむつ処理容器にサードパーティのカセットを取り付けることも可能ですから、カセットの販売を特許でどう守るかが鍵になってきます。</p>
<p>英サンジェニック社（原告）は、自らの特許権を侵害されたとして、アップリカ社（被告）に販売差止めと損害賠償を求めました。東京地裁は平成２３年１２月２６日、アップリカ社による特許権侵害を認め、販売差止めと約2100万円の賠償を命ずる判決を下しました（<a href="http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/pdf1/g_panel/10015_gen.pdf" target="_blank">平成２１年（ワ）第４４３９１号</a>）が、英サンジェニック社は、損害賠償額を不服として控訴していました。東京地裁が認めた損害賠償額は特許法102条3項の「実施料相当額」であり、英サンジェニック社が求めた損害賠償額に比べて低いものだったからです。控訴審において、知財高裁は、平成２５年２月１日、一審判決の約７倍の約１億４８００万円の損害賠償を命ずる判決を下しました（<a href="http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130225102808.pdf" target="_blank">平成２４年（ネ）第１００１５号</a>）。</p>
<p>損害賠償額が増額となった理由は、知財高裁は、損害額の算定に当たり、特許法102条2項の損害額の推定規定を適用したためです。この規定は、侵害者が特許権を侵害行する為で得た利益をもって、特許権者が被った損害の額（「逸失利益」と考える）と推定するものです。</p>
<p>一般に、特許権の侵害行為によって特許権者が損害を受けた場合、特許権者は侵害者に対して不法行為による損害賠償請求（民法709条）ができますが、それには、損害の発生と、侵害行為と損害発生の因果関係について、特許権者が主張立証する必要があります。しかし特許権侵害訴訟では、その立証には大変な困難が伴うことから、特許権者側の立証負担を軽減するために、特許法102条2項の損害額の推定規定が設けられています。</p>
<p>英サンジェニック社は、特許法102条2項の損害額の推定規定を適用すれば、損害賠償額はもっと高くなることを主張しました。しかしこれには超えなければならない判例法上のハードルがありました。特許法102条2項は、損害額を推定するものですが、損害の発生までを推定するものではありません。侵害者側は損害は発生していない（侵害行為と損害発生の間に因果関係がない）ことを反論することができます。これまでの裁判例では、特許権者が自ら特許発明を実施（製造、販売など）していない場合、逸失利益たる損害も観念し得ないことから、特許法102条2項の損害額の推定規定の適用には、特許権者による特許発明の実施が要件であると解されてきました。原審では、その従前の解釈の下、英サンジェニック社は、日本における総代理店であるコンビ社に独占的販売権を付与し、日本における原告製品の輸入及び販売はコンビ社が行っているのであって、英サンジェニック社が日本において特許発明を実施していたとは認められないとして、特許法102条2項の損害額の推定規定の適用を退けました。</p>
<p>確かに、英サンジェニック社は、日本において特許製品を製造しておらず（製造は英国で行われている）、また日本において特許製品の販売もしていません（販売しているのは日本の代理店）。しかし、このような杓子定規な法律の適用の仕方では、在外の特許権者の損害を十分に補填することができません。外国企業は、日本で自社製品を販売するために、既に日本市場に販路をもっている日本のメーカーを販売代理店として利用することも多いと思います。この点、控訴審において、知財高裁大合議は、英断を下したと思います。従前の裁判例とは異なり、特許権者が自ら特許発明を実施していない場合でも、特許法102条2項の損害額の推定規定の適用を認めたのです。</p>
<p>原告が主張したように、特許法102条2項は、損害（逸失利益）の発生までも推定する規定ではないところ、論ずべきは「損害（逸失利益）の発生の有無」であって、「特許権者の実施の有無」ではありません。特許権者による日本における特許発明の実施が、特許法102条2項の推定規定適用の要件であるかのようにこれまで論じられてきたのは、おかしいではないかというのが、今回の知財高裁大合議の判決です。</p>
<p>もちろん、特許権者が実施していない場合にいつでも特許法102条2項の推定規定が適用されるわけではありません。本件では、英サンジェニック社はコンビ社と独占販売契約を締結し、英国で製造された自社製カセットをコンビ社に販売（輸出）し、コンビ社がそれを日本において販売しています。このことから、英サンジェニック社はコンビ社を通じて日本国内に自社製カセットを供給し、日本市場を支配していることが認められます。また、英サンジェニック社のカセットは、被告の侵害製品と競合しており、被告の侵害行為がなければ、顧客は英サンジェニック社のカセットを購入していたであろうことが認められます。すなわち、被告の侵害行為によって、英サンジェニック社のカセットの日本国内での売上が減少していること（逸失利益の発生）が認められます。</p>
<p>このような事実経緯を踏まえて、裁判所は、原告には、被告の侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が認められることから、特許法102条2項の損害額の推定規定を適用しました。</p>
<p>外国企業が 日本において特許権を保有していても、損害賠償額が実施料相当額にしかならないのでは、日本で特許を取得して、日本市場に参入して競合メーカーと闘おうという意欲も減じられてしまいます。今回の知財高裁判決のような、現場のビジネス感覚に合った法律の解釈と適用は、特許権の活用を通じて市場の活性化を図る観点から、歓迎されます。日本はこのようなプロパテント政策をもっと推し進めるべきだと思います。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
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		<title>ibooksはインターネット電子書籍サービスの記述的商標でしかない</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1257</link>
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		<pubDate>Tue, 08 Oct 2013 08:02:08 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>
		<category><![CDATA[米国実務]]></category>

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		<description><![CDATA[Apple Inc.の商標iBooksの使用はJ. T. Colby &#38; Company, Inc.らが使用する未登録商標「ibooks」に抵触するとしてApple Inc.が訴えられた商標権侵害事件は、米国ニュ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft" alt="iBooks icon" src="http://farm9.staticflickr.com/8388/8584814589_f1be1cab8a_m.jpg" /></p>
<p>Apple Inc.の商標iBooksの使用はJ. T. Colby &amp; Company, Inc.らが使用する未登録商標「ibooks」に抵触するとしてApple Inc.が訴えられた商標権侵害事件は、米国ニューヨーク州南部連邦地裁の2013年5月8日の略式判決によりColby側が敗訴しています（<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://www.dimt.it/immaginiUtenti/file/Contributi/IBooks_doc2.pdf" target="_blank">J.T. Colby &amp; Company, Inc. et al v. Apple, Inc.(S.D.N.Y. May 8, 2013)</a>）。しかし、これは電子書籍サービスにibooksという表記ができなくなることを意味しません。</p>
<p><span id="more-1257"></span></p>
<p>原告Colby &amp; Co., Inc.ら は、紙の書籍と電子書籍の両方にibooksという標章を使用していましたが、商標登録はしていませんでした（商標登録を試みたが米国特許商標庁に拒絶された経緯があるようです）。</p>
<p>原告らは、被告Apple Inc.が電子ブックリーダーソフトウェアに標章「iBook」を使用することは、原告の未登録商標「ibooks」に係る権利を侵害すると主張しました。日本では、商標登録することが商標権の効力発生要件です（「登録主義」）が、米国は「使用主義」を採用しており、商標権は商標の使用によって発生します。そのため本事件のような原告の未登録商標「ibooks」であっても商標権を主張することができます。</p>
<p>しかしながら、識別力（自他商品識別性）のない商標は保護されません。米国では、識別力の順に商標を(1) 普通名称（generic term）、(2) 記述的商標（descriptive mark）、(3) 暗示的商標（suggestive mark）、(4) 恣意的または創造的商標（arbitrary or fanciful mark)に分類しています（後になるほど識別力がある）。暗示的商標、恣意的または創造的商標は固有の識別力があることから、商標として保護されます。記述的商標は長期間使用された結果、「使用による識別性」（米国では、secondary meaningと呼ばれています）を獲得したことが立証されなければ、商標として保護されません。普通名称はそもそも識別力がなく、商標として保護されることはありません。</p>
<p>たとえば、商品「本」に付した標章「book」は「普通名称」であり、識別力がなく保護されません。商品「本」に付した標章「electronic book」（電子書籍）は、商品の性質を記述したものであり、「記述的商標」です。</p>
<p><img class="alignleft size-full wp-image-1260" style="line-height: 24px;" alt="ibooks" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/10/ibooks.jpg" width="176" height="181" /></p>
<p>原告らが使用していた未登録商標は「ibooks」という文字列の上に電球の図形（電球の中には「i」の文字がある）を組み合わせた結合標章でした。しかし、原告らは「ibooks」という文字列に識別性があると主張し、「ibooks」は、需要者に「アイデアのある本」を想起させる「暗示的商標」（suggestive mark）であると主張しました。原告らは、暗示的商標であれば（記述的商標ではないため）、使用による識別性（secondary meaning）を立証する必要はないとも主張しました。</p>
<p>確かに、電球は、「アイデア」や「ひらめき」を意味するマークとして使われますので、電球の図形を組み合わせた「ibooksのロゴ」には識別力がありそうです。地裁も、記述的な文字列が識別力のある図形と組み合わさった標識は、全体として、識別力をもちうることを認めています。しかし、原告らは、電球の図形を組み合わせたibooksのロゴに対する保護を求めたのではなく、Apple Inc.が電子書籍リーダーに「ibooks」という単語を使用することに対して権利を主張していたのです。</p>
<p>そのため、地裁は、電球の図形が有する識別性は考慮に入れず、単語「ibooks」における「i」の文字は「インターネット」を表すものとして需要者に認識されることから、原告の「ibooks」は「インターネットで販売される書籍」を意味する記述的商標に過ぎないとして原告の主張を退けました。</p>
<blockquote><p>In this case, the plaintiffs have presented no evidence that the ibooks mark conveys anything to consumers other than “books available for sale on the Internet.” In other words, the plaintiffs have not presented evidence to support a finding that the mark ibooks is anything other than a descriptive mark.</p></blockquote>
<p>また、「ibooks」が「記述的商標」であるとすれば、商標として保護されるためには、「使用による識別性」（secondary meaning）を立証することが原告に求められます。すなわち、需要者が標章「ibooks」を見れば、それが原告の商品であると認識できるほどの識別性を獲得していることが必要です。</p>
<blockquote><p>To determine whether secondary meaning exists, a court considers whether the primary significance of the mark to the consuming public is to “identify the source of the product<br />
rather than the product itself.”</p></blockquote>
<p>しかし、原告は、「ibooks」が「使用による識別性」を獲得したことを十分な証拠を挙げて立証することはできなかったようです。</p>
<blockquote><p>Drawing all inferences in the plaintiffs’ favor, no reasonable jury could conclude that, as of 2010 when Apple announced its e-reader software, a substantial segment of ordinary consumers in the plaintiffs’ market associated the mark “ibooks” with a single source.</p></blockquote>
<p>結局、原告の文字標章「ibooks」は記述的商標であり、使用による識別性を有しないことから、商標として保護されませんでした。</p>
<p>一方、Apple Inc.は、「インタラクティブでユーザが編集可能な電子ブックを支援および生成するためのコンピュータハードウェアおよびソフトウェア」に関する登録商標「IBOOK」をFamily Systems Ltd.から譲受しています。この判決によると、文字標章「ibooks」は記述的商標であるとされており、ibooksという文字列を、電子書籍の性質を記述的に説明するために用いる限りは、Apple Inc.の登録商標「IBOOK」の侵害を構成することはないと言えます。</p>
<p>なお、原告は地裁判決を不服として控訴しているようですから、今後の控訴審の判決にもご留意ください（控訴審判決が出れば、追って紹介いたします）。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
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		<title>ブラックベリー身売りの前に見ておきたいイギリスのコメディ</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1225</link>
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		<pubDate>Fri, 27 Sep 2013 09:24:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>

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		<description><![CDATA[カナダの通信機器メーカーのブラックベリー・リミテッド（旧リサーチ・イン・モーション・リミテッド）がカナダのフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングズを中心とする企業連合に身売りすることが決まった。数年前までは米国 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Autumn Blackberries" href="http://www.flickr.com/photos/63364670@N02/9955006474/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Autumn Blackberries" src="http://farm3.staticflickr.com/2877/9955006474_e7e82550c7_m.jpg" /></a>カナダの通信機器メーカーのブラックベリー・リミテッド（旧リサーチ・イン・モーション・リミテッド）がカナダのフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングズを中心とする企業連合に身売りすることが決まった。数年前までは米国人がブラックベリーをもっているのをよく見かけたが、今ではすっかりiPhoneに取って代わってしまった。いよいよブラックベリーが姿を消してしまう前に、ぜひ見納めしておきたいイギリスのコメディがある。<span id="more-1225"></span><iframe style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" src="//www.youtube.com/embed/kAG39jKi0lI" height="315" width="560" allowfullscreen="" frameborder="0"></iframe></p>
<p>イギリスの二人のコメディアン<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Ronnie_Corbett" target="_blank">Ronnie Corbett</a>と<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Harry_Enfield" target="_blank">Harry Enfield</a>が演じたスケッチ・コメディ&#8221;My Blackberry Is Not Working!&#8221;である（注：イギリスでは日本でいう「コント」のことをsketch comedyという）。2010年12月にBBCで放映されたものだ。</p>
<p>イギリス人のユーモアのセンスが炸裂した作品であり、傑作だと思う。（というかおやじギャグ満載！）</p>
<p>トランスクリプトとともに載せた私の解説を見ながら、お腹を抱えて笑って欲しい。そしてこの世にブラックベリーという、かつてはスマートフォンの代名詞であった多機能携帯端末があったことを記憶にとどめたいと思う。</p>
<p><strong>My Blackberry Is Not Working! from BBC</strong></p>
<p>CUSTOMER I bought something from you last week and I&#8217;m very disappointed.</p>
<p>SHOPKEEPER Oh, yeah. What&#8217;s the problem?</p>
<p>CUSTOMER Yeah, well my blackberry is not working.<br />
SHOPKEEPER What&#8217;s the matter with it? Run out of juice?</p>
<p>※run out of juiceとは、「電池切れになる」の意味があり、ブラックベリーの果汁がなくなることと掛けている。</p>
<p>CUSTOMER No, no, its completely frozen.</p>
<p>※凍ったブラックベリーを、コンピュータが「フリーズする」ことと掛けている。</p>
<p>SHOPKEEPER Oh yeah, I can see that. I&#8217;ll tell you what, let&#8217;s try it on orange.</p>
<p>CUSTOMER That&#8217;s got a few black spots, you see&#8230;</p>
<p>※オレンジに黒い斑点（black spots）があると言っているが、Orangeとは欧州の携帯電話キャリアのことであり（<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%A0" target="_blank">wikipedia:フレンチテレコム</a>参照）、black spotsとはここでは携帯電話の電波が届かないエリア、すなわち圏外となるエリアのことを指している。（ここで、観客の笑い声が聞こえないのは、イギリスのおばちゃんたちにはこれがわからなかったのだろう。）</p>
<p>店員はlet&#8217;s try it on orange（ブラックベリーのキャリアをOrangeに変えてみては）と勧めたが、客はOrangeには圏外が多いからなと不満を言っている。</p>
<p>SHOPKEEPER Oh dear, yeah, sorry about that.</p>
<p>CUSTOMER Well are you gonna get my blackberry working?</p>
<p>SHOPKEEPER Well, it could be an application issue. Where do you store that blackberry?</p>
<p>※使い方（application）の問題だというが、コンピュータのアプリケーションの意味を込めたのだろう。ストア（store）もコンピュータ用語だ。</p>
<p>CUSTOMER Well, it&#8217;s on my desktop.</p>
<p>※食卓の上でなくて、デスクトップって（笑）</p>
<p>SHOPKEEPER Well, you could try using a mouse to drag the blackberry to the trash. Then after you&#8217;ve done that, you might want to launch the blackberry from the desktop.</p>
<p>CUSTOMER Well, I&#8217;ve already tried that a few times. I mean all it did was mess up windows.</p>
<p>※マウス、ドラッグ、ゴミ箱（trash）、ローンチ（lauch）、ウインドウ…完全にコンピュータの話になりました。</p>
<p>SHOPKEEPER Well, it might be worth waiting a couple of weeks. They&#8217;ve got the latest blackberries coming in then.</p>
<p>CUSTOMER Well, could you give me a date?</p>
<p>SHOPKEEPER Certainly.</p>
<p>CUSTOMER Let me put that date in my diary.</p>
<p>※日付とデーツ（なつめやし）を掛けている。ここ、私、ツボなんです。おかしすぎる。</p>
<p>SHOPKEEPER Anything else I can help you with.</p>
<p>CUSTOMER Yes, yes, I&#8217;ve also got a problem to be honest with my apple.</p>
<p>※この「アップル」はいわずと知れた、アップルですね。</p>
<p>SHOPKEEPER Oh dear, oh dear. That is an old apple isn&#8217;t it? When did you buy that?</p>
<p>CUSTOMER Last week.</p>
<p>SHOPKEEPER Last week, huh, they&#8217;ve brought out two new apples since then. What&#8217;s the problem with it?</p>
<p>※bring outは、「（新製品を）発売する」の意味。アップルの新製品が出たと言っている。</p>
<p>CUSTOMER Well, I tried to put my dongle in it and it won&#8217;t fit.</p>
<p>※「ドングル（dongle）」（コンピュータにＵＳＢなどで接続する小さなハードウェアキー）の話をしているが、dangleという男性の「イチモツ」を意味する俗語がある。ドングルがうまくフィットしないと客が言ったときの、店員のにやけた表情に注目！</p>
<p>SHOPKEEPER Oh yeah, &#8230; and how big&#8217;s your dongle?</p>
<p>※「おたくのドングルはどれくらいの大きさなの？」　それ聞いちゃいけないって。</p>
<p>CUSTOMER Well I don&#8217;t know much about these things but my wife&#8217;s seen a few dongles in her time and she says its a little bit on the small side.</p>
<p>※奥さんいわく、あなたの「ドングル」は今まで見た中ではちょっと小さい方よ、って・・・こ、これ、ＢＢＣですよ。イギリス人は下ネタがわりと好きなんです。コメディではよくあります。</p>
<p>SHOPKEEPER Well, I&#8217;m afraid there&#8217;s not a lot I can do about that. Tell you what, let me try booting it. Ah, its crashed. Anything else I can help you with?</p>
<p>※ブート（蹴飛ばす）してみよう。あ、クラッシュした！</p>
<p>CUSTOMER Well, funnily enough yes. Its my grandson&#8217;s birthday soon. Now he&#8217;s already got a blackberry and an apple. I mean have you got anything else that he might just like?</p>
<p>※ブラックベリーも買ったし、アップルも買ったし、あとは何があるの？</p>
<p>SHOPKEEPER Well, we&#8217;re doing a special offer on these. I mean I can&#8217;t make head or tail of them but the kids seem to like them. Eggs box. Three sixty. (£3.60)</p>
<p>※Ｘｂｏｘ３６０か！</p>
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