2010年6月28日、米国最高裁判所は、待ち望まれていたBilski v. Kappos事件における見解を表明した。この事件は、第101条における特許性の及ぶ範囲の決定を担うものである。本最高裁判決の焦点は、方法クレーム、特にビジネス方法およびソフトウェアのクレームの法体系に基づいた特許可能性の判断に用いられるテストを決定することにあった。 続きを読む
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「化粧用パッティング材」
平成20年(行ケ)第10398号審決取消請求事件
1.事件の経緯
原告は、発明の名称を「化粧用パッティング材」とする特許第3782813号(「本件特許」)の特許権者である。
被告は、本件特許について特許無効審判を請求したところ、原告は、本件特許について、特許請求の範囲の請求項1の記載を訂正する旨の訂正請求(「本件訂正」)をした。
特許庁は、本件訂正を認めた上、本件特許を無効とするとの審決(「本件審決」)をした。
本件は、原告が本件審決の取消しを求める事案である。 続きを読む
用途発明のサポート要件・実施可能要件
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「樹脂配合用酸素吸収剤」という用途発明についてサポート要件・実施可能要件が満たされるには、発明の詳細な説明に当該樹脂一般について本件発明の作用効果を裏付ける記載が必要である。
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委任省令要件違反?
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請求項に係る発明が明細書の【発明が解決しようとする課題】に記載された課題に該当しない場合であっても、特許法36条4項1号の委任省令要件に違反しない。
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企業買収の交渉における当事者の情報開示義務および企業買収契約における表明保証条項の意義と機能
[1]企業買収の交渉における当事者の情報開示義務について
(1)原則
企業買収も私人間の取引の一つであることから私的自治の原則に委ねることが相当であり、買収契約を締結する際の情報収集は、契約当事者の責任において行うべきものであるから、基本的には、相手方当事者に情報提供義務を負わせることはできないと解するのが妥当である。企業買収契約においては、相互に対等な当事者が契約を締結するのが通常であり、事業者と消費者のように情報を収集する能力に格差が存在する場合における契約交渉とは性質が異なり、双方の当事者はデューデリジェンスにより、相手方の情報を収集する能力を対応に持っているからである。したがって、売主は会社の資産状況などにつき虚偽の事実を告げてはならないという消極的意味での義務を負うことはあっても、積極的に資産状況などについて情報を開示しなければならないという義務は負っていないと解される。 続きを読む
人間に自然に備わった能力も自然法則!?
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人間に自然に具わった能力のうち特定の認識能力の利用も、自然法則の利用ということができる。
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明細書の記載は例示に過ぎない?
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技術的範囲属否の判断において明細書より辞書・技術常識が優先された。
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知的財産権の信託による活用とその問題点
信託業法の改正により信託の対象となる資産が財産権一般に拡大され、知的財産権を信託することが可能となった。知的財産信託は、グループ会社において知的財産を集中管理して活用するための方法として注目されている。大企業の場合、子会社、関連会社を含めたグループ会社で大量の特許権などの知的財産権を保有しており、各事業主体が個別に特許権を取得して実施しているため、グループ会社間で権利関係が錯綜していることが多い。グループ会社全体で知的財産を集中管理できれば、権利関係を整理して、無駄を省き、活用を促進することもできる。また、グループ会社間で知的財産が分散している場合の深刻な問題として、小会社や関連会社が買収された場合に、親会社にとって重要な知的財産権が買収者に移転してしまい、親会社がビジネスを継続すると、知的財産権の侵害となってしまうことがある。 続きを読む
買収防衛策としての事業信託
敵対的買収に対する対抗措置の一つに「クラウンジュエル」と呼ばれる方法がある。これは、買収対象の会社が営業上の重要な財産や収益上重要な事業部門や子会社を第三者に譲渡して自社を魅力のないものにすることで買収者の買収意欲を削ぐ買収防衛策である。
会社の事業の全部または一部であっても重要な事業の譲渡の場合には、会社法上株主総会の特別決議が必要であるが、重要な財産の処分は取締役会決議で可能である。しかし、買収防衛策としてこのような財産譲渡を行った場合、重要な財産の処分により企業価値が下がると、株主利益を損なうことになるため、取締役としての善管注意義務違反に問われるリスクがある。 続きを読む
事後無効でやりなおし!?
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原判決で認識のない別異の無効理由による無効確定が、確定判決の再審事由となりうる。
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