額に汗して商品化しないと保護されない

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商品形態模倣行為の不正競争につき損害賠償請求できるのは、当該商品を自ら開発、商品化した者等である。

東京地裁平成24年3月28日判決(平成21年(ワ)第43952号損害賠償等請求事件)

本件は、原告が販売していたフルーツジュース(「本件ジュース」)と内容物及び容器デザインが同一の商品(「被告商品」)を被告らが輸入し、販売する行為は、不正競争防止法2条1項3号の不正競争に該当するとして、原告が被告らに対して損害賠償金の支払い等を求めた事件である。

[判旨]
不競法2条1項3号は,商品化のために資金や労力を投下した者の開発利益を,当該商品の形態を模倣するという行為を競争上不正な行為とすることにより保護することを目的とするものであり,このような目的からすれば,本号の不正競争につき損害賠償を請求することができる者は,当該商品を自ら開発,商品化した者又はこれと同様の固有かつ正当な利益を有する者と解すべきである。
(中略)
本件ジュースについては,その内容物,商品名,容器デザインのいずれについても,原告が独自の費用,労力を掛けてこれを開発,商品化したということはできない(中略)。したがって,本件ジュースについて,原告は,自ら開発,商品化した者と認めることはできず,また,これと同様の固有かつ正当な利益を有する者と認めることもできないから,不競法2条1項3号の不正競争につき損害賠償を請求することができる者ということはできない。

なお、本件の控訴審(知財高裁平成24年09月19日判決(平成24(ネ)第10038号)も原審判決を支持した。

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