引例は内的証拠か外的証拠か

Landis On Mechanics Of Patent Claim Draftingのテキストの最後に「明細書、出願経過(IDSも含む)で引用された公知技術文献のリスト(単なる文献のリストであって、公知文献に対して出願人が言及した内容ではない)が内的証拠である」という判例があって、Landis(著者)がこの判例を批判していました。

あまり気にしなくてよいのでは?と言いましたが、これもCAFCの判例だったので、やっぱり注意が必要です。ここに2005年3月のCAFC判決が紹介されています。クレイムの用語を解釈するにあたって、IDSされた特許文献を<内的証拠>として参酌して、非侵害と判断しています。

Phillips大法廷判決(2005年7月)が、明細書、出願経過など出願人が自ら表した書類を内的証拠として特許権者の意図を読み取ろうとしていることを考えると、他人の公知文献を<内的証拠>として扱うのは、矛盾していますよね。

他人の公知文献は、辞書等の外的証拠よりは、当該特許明細書に近い位置にあることは確かですが、<内的証拠>にされてはかなわないです。

Landis(著者)が「内的証拠を定義したPhillips大法廷判決によれば、公知文献は内的証拠から除外されるだろう」と最後に述べている見解を我々も信じたいところです。

コメントを残す