いかの干したものは「するめ」であって「いか」と呼んではならぬか

Making surume(Dried Squid) in Otsuki, Kochi Japan請求項において「前記」(英語でsaidまたはthe)をつけると、前出の構成を指しますが、前出の構成とは同一性が損なわれている場合、theをつけるべきかどうか悩むことがあります。たとえば、

請求項1
(i)いかを天日干しする工程と、
(ii)前記天日干しされたいかを千切りにする工程と
含むするめ製造方法。

という請求項があったとします。天日干しされたいかは、天日干しされる前のいかと比較して、性質こそ同一性は損なわれているものの、同一のいかであることには変わらないという考えに立つのであれば、

(i) drying a squild in the sun;
(ii) cutting the sun-dried squid into strips;

のように前出のいかを定冠詞theで受けてもよいと思います。

一方、「いかの干したものはするめであって、もはやいかではない」という意思を明確に表したいなら、

(ii) cutting a dried squid or surume thus dried in the sun into strips;

と書けばよいと思います。a dried squid thus driedという言い方がポイントです。不定冠詞をつけながらも前出のいかを天日干しされたものであることを限定しています。

さらに、もう一つステップを加えて、

請求項2
(iii)前記いかを醤油で味付けする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1のするめ製造方法。

Claim 2
The method of Claim 1, further comprising (iii) seasoning the squid using soy sauce.

とした場合はどうなるでしょうか。

「前記いかを醤油で味付けする」工程には、
(a)生いかに味付けする場合、
(b)天日干しされたいかに味付けする場合、
(c)千切りにされた後に味付けする場合
のすべてを含むと解釈されるだろうと思います。

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