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	<title>知的財産　法とビジネス &#187; ビジネス最前線</title>
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	<description>Ａｑｕｉｌａ’ｓ　Ｂｌｏｇ</description>
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		<title>小保方晴子博士の「STAP細胞」特許出願は基本特許となるか？</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1381</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1381#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 31 Jan 2014 18:12:14 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[「数世紀に及ぶ生物細胞学の歴史を愚弄するものである」ー2012年、英Natureが彼女の論文の掲載を却下したときの査読者の評だという。理化学研究所の小保方晴子博士の発見したSTAP細胞はそれほどに「非常識」に満ちている。 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Stem cell research" href="http://www.flickr.com/photos/50129941@N07/4602237183/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Stem cell research" src="http://farm5.staticflickr.com/4004/4602237183_666dec1495.jpg" /></a>「数世紀に及ぶ生物細胞学の歴史を愚弄するものである」ー2012年、英Natureが彼女の論文の掲載を却下したときの査読者の評だという。理化学研究所の小保方晴子博士の発見したSTAP細胞はそれほどに「非常識」に満ちている。受精卵から体細胞へ分化すると、細胞は分化状態をメモリのように記憶しており、多能性細胞などの未分化細胞に戻る（初期化する）ことはないというのがかつての常識であり、体細胞を初期化するには高度な遺伝子操作が必要であると考えられていた。小保方博士の発見は、体細胞に一定のストレス（弱酸性の刺激）を与えることで、分化状態の記憶が消去され、多能性を再び獲得するということのようである。</p>
<p><span id="more-1381"></span></p>
<p>小保方博士は、大学院時代に留学していたハーバード大のチャールズ・バカンティ教授らと共同で国際特許出願（<a href="http://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/biblio?DB=EPODOC&amp;II=0&amp;ND=5&amp;adjacent=true&amp;locale=jp_EP&amp;FT=D&amp;date=20131031&amp;CC=WO&amp;NR=2013163296A1&amp;KC=A1" target="_blank">公開公報WO2013/163296 A1”Generating pluripotent cells de novo”</a>）をしている。門外漢の私には専門的で何もわからないだろうと思ったが、特許請求の範囲（クレーム）を読んで驚いた。請求項１には、</p>
<blockquote><p>1. A method to generate a pluripotent cell, comprising subjecting a cell to a stress.（「細胞をストレスにさらすことを備える多能性細胞生成方法」）</p></blockquote>
<p>と記載されているだけであり、素人の私でもわかる「そのまま」なのである。小保方博士の今回の発明をこれ以上広い権利で言い表すことはできないであろう。特許請求の範囲をいかに広く記載するかが、特許の価値を左右する。学者の特許出願は、いきおい学術的になりがちであり、特許請求の範囲に余計な専門的限定が含まれ、狭い権利となることが多い。小保方博士らの国際特許出願は、その点、特許請求の範囲の記載はいずれも非常に広く書かれており、この分野の特許出願としては優れものであると思う。彼女の発明がきわめてシンプルな発想から生まれていることも大きな要因であろう。請求項１がこのまま特許になれば、間違いなく世界を制覇する「基本特許」となるだろう。</p>
<p>しかし、残念ながら、ここまで広い権利を取得することは難しいだろう。国際特許出願をすると国際調査機関が先行技術を調査してサーチレポートを発行する。上記の公開公報の最後にはそのサーチレポートが添付されている。サーチレポートによれば、小保方博士の国際特許出願の請求項１は、別の日本人女性の先行技術により新規性がないとされている。その日本人女性とは、東北大学の出澤真理教授である。彼女もまた、「Muse細胞」という多能性幹細胞の発見者として有名である（４７ＮＥＷＳ<a href="http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041901000770.html" target="_blank">『</a><a href="http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041901000770.html" target="_blank">皮膚、骨髄に多能性幹細胞　「安全性高い」東北大』</a>参照）。出澤真理教授の国際特許出願（<a href="http://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/biblio?DB=worldwide.espacenet.com&amp;II=0&amp;ND=3&amp;adjacent=true&amp;locale=jp_EP&amp;FT=D&amp;date=20110120&amp;CC=WO&amp;NR=2011007900A1&amp;KC=A1" target="_blank">公開公報WO2011/007900 A1「生体組織から単離できる多能性幹細胞」</a>）には、</p>
<blockquote><p>生体がストレスに曝されたり、傷害を受けると休眠状態の組織幹細胞が活性化され、組織再生に寄与することが知られている。本発明者は、骨髄間葉系細胞画分や皮膚線維芽細胞画分等の間葉系細胞又は中胚葉系細胞を培養している際に種々の方法でストレス刺激を与え（例えば、無血清培養、Ｈａｎｋ’ｓ　Ｂａｌａｎｃｅｄ　Ｓａｌｔ　Ｓｏｌｕｔｉｏｎ（ＨＢＳＳ）による培養、低酸素培養、トータル３時間の間欠的短時間トリプシン培養、８時間若しくは１６時間の長時間のトリプシン培養等）、生存している細胞を集め、メチルセルロース（ＭＣ）含有培地中で浮遊培養（ＭＣ培養という）を行った。</p></blockquote>
<p>と記載されており、請求項１７には「生体組織由来細胞を細胞ストレスに暴露し生き残った細胞を回収することを含む多能性幹細胞又は多能性細胞画分を単離する方法。」が権利請求されている。「細胞をストレスにさらして多能性幹細胞を生成する」という基本アイデア自体は、どうやら小保方博士のオリジナルではないようだ。そうすると、どのような細胞にどのような状態でどのようなストレスを与えるかといった多能性細胞の生成の条件を限定することが特許取得のために必要となりそうである。</p>
<p>小保方博士の国際特許出願では請求項１３で、今回の弱酸性刺激以外にも様々なストレスが列挙されている。発明として完成している弱酸性刺激に限定するなら、特許が取得できる可能性は高い。また、サーチレポートを詳しく見れば、請求項７（「細胞が均一細胞集団にある」ことを限定）などには新規性または進歩性を否定する先行技術が少なくとも国際調査段階では発見されておらず、今後の世界各国（特に米国、日本、欧州）での出願審査を経てみなければわからないが、かなり広い権利が狙える余地も残されている。日本発の世紀の大発明に強力な特許権が付与されることを期待しながら、今後の特許出願審査の経過を見守りたい。</p>
<p>それにしても、 小保方博士の特許出願は、<a href="https://www.google.co.jp/url?sa=t&amp;rct=j&amp;q=&amp;esrc=s&amp;source=web&amp;cd=1&amp;cad=rja&amp;ved=0CCcQFjAA&amp;url=http%3A%2F%2Fwww.google.com%2Fpatents&amp;ei=9N3rUrXpO4WAlQX5soCYAg&amp;usg=AFQjCNG_XlAI_9dSaH28NeN5O6bXJSSuSw&amp;sig2=FcsDkjVxSSTtjMeo3lr5Rw&amp;bvm=bv.60444564,d.dGI" target="_blank">Google Patent Search</a>で&#8221;haruko obokata&#8221;と入力するだけで誰でも閲覧できるのだから、日本のマスメディアは、「リケジョ」を追いかけ回す前に、論文を取り寄せたり、特許出願を検索してみるなど、もう少し自分で彼女の研究成果を調べる努力をしてみてはどうかと思う。特許出願には論文には記載されない技術情報があったり、研究開発の苦労や方向性などが示唆されていることもあり、第一級の資料である。ここからまだまだいろいろなことが読み取れるだろう。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>「クルルンポイ」の損害賠償額の増額判決は外国企業に朗報</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1278</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1278#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 01 Nov 2013 11:29:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[「におい・クルルンポイ」という商品をお使いでしょうか？赤ちゃんのおむつをくるるんっとフィルムに包んでポイっと捨てるものです。子どもが大きくなった私にはもう関係ないですが、おむつはトイレには流せないのでこれは助かりますよね [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft" alt="cloth nappies (diapers) on the line" src="http://farm6.staticflickr.com/5267/5759893591_5087fbcd5e_m.jpg" width="240" height="159" /><a href="http://www.combi.co.jp/products/diaper/kurupoi/" target="_blank">「におい・クルルンポイ」</a>という商品をお使いでしょうか？赤ちゃんのおむつをくるるんっとフィルムに包んでポイっと捨てるものです。子どもが大きくなった私にはもう関係ないですが、おむつはトイレには流せないのでこれは助かりますよね。この製品、日本ではコンビ株式会社が販売していますが、製造元はSangenicというイギリスの会社であり、英国では<a href="http://www.tommeetippee.co.uk/department/nappy-disposal-systems/" target="_blank">Nappy Disposal System</a>として販売されています。<span id="more-1278"></span></p>
<p>サンジェニック・インターナショナル・リミテッド（以下「英サンジェニック社」）は、赤ちゃんの使用済み紙おむつ処理容器のカセットに関して、日本において特許権（特許第４４０２１６５号「ごみ貯蔵機器」）をもっていますが、日本には子会社がないようです。英サンジェニック社は、当初、大阪のアップリカ・チルドレンズプロダクツ株式会社を日本における総代理店として包括的な販売代理契約を締結し、アップリカ社は英サンジェニック社の製品を輸入して「におわなくてポイ」という商品を販売していましたが、2008年に販売代理契約は満了し更新されませんでした。英サンジェニック社は、その後、東京のコンビ株式会社を日本における総代理店とし、コンビ社が英サンジェニック社の製品を輸入し、「におい・クルルンポイ」の容器とカセットを販売しています。一方、販売代理契約を切られたアップリカ社は、「におわなくてポイ」用のカセットの販売を続けていたようです。おむつ処理容器は、カセットを交換して取り付けて使用するものであり、プリンタのインクカートリッジと同様、カセット（消耗品）の販売も大きなビジネスになります。おむつ処理容器にサードパーティのカセットを取り付けることも可能ですから、カセットの販売を特許でどう守るかが鍵になってきます。</p>
<p>英サンジェニック社（原告）は、自らの特許権を侵害されたとして、アップリカ社（被告）に販売差止めと損害賠償を求めました。東京地裁は平成２３年１２月２６日、アップリカ社による特許権侵害を認め、販売差止めと約2100万円の賠償を命ずる判決を下しました（<a href="http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/pdf1/g_panel/10015_gen.pdf" target="_blank">平成２１年（ワ）第４４３９１号</a>）が、英サンジェニック社は、損害賠償額を不服として控訴していました。東京地裁が認めた損害賠償額は特許法102条3項の「実施料相当額」であり、英サンジェニック社が求めた損害賠償額に比べて低いものだったからです。控訴審において、知財高裁は、平成２５年２月１日、一審判決の約７倍の約１億４８００万円の損害賠償を命ずる判決を下しました（<a href="http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130225102808.pdf" target="_blank">平成２４年（ネ）第１００１５号</a>）。</p>
<p>損害賠償額が増額となった理由は、知財高裁は、損害額の算定に当たり、特許法102条2項の損害額の推定規定を適用したためです。この規定は、侵害者が特許権を侵害行する為で得た利益をもって、特許権者が被った損害の額（「逸失利益」と考える）と推定するものです。</p>
<p>一般に、特許権の侵害行為によって特許権者が損害を受けた場合、特許権者は侵害者に対して不法行為による損害賠償請求（民法709条）ができますが、それには、損害の発生と、侵害行為と損害発生の因果関係について、特許権者が主張立証する必要があります。しかし特許権侵害訴訟では、その立証には大変な困難が伴うことから、特許権者側の立証負担を軽減するために、特許法102条2項の損害額の推定規定が設けられています。</p>
<p>英サンジェニック社は、特許法102条2項の損害額の推定規定を適用すれば、損害賠償額はもっと高くなることを主張しました。しかしこれには超えなければならない判例法上のハードルがありました。特許法102条2項は、損害額を推定するものですが、損害の発生までを推定するものではありません。侵害者側は損害は発生していない（侵害行為と損害発生の間に因果関係がない）ことを反論することができます。これまでの裁判例では、特許権者が自ら特許発明を実施（製造、販売など）していない場合、逸失利益たる損害も観念し得ないことから、特許法102条2項の損害額の推定規定の適用には、特許権者による特許発明の実施が要件であると解されてきました。原審では、その従前の解釈の下、英サンジェニック社は、日本における総代理店であるコンビ社に独占的販売権を付与し、日本における原告製品の輸入及び販売はコンビ社が行っているのであって、英サンジェニック社が日本において特許発明を実施していたとは認められないとして、特許法102条2項の損害額の推定規定の適用を退けました。</p>
<p>確かに、英サンジェニック社は、日本において特許製品を製造しておらず（製造は英国で行われている）、また日本において特許製品の販売もしていません（販売しているのは日本の代理店）。しかし、このような杓子定規な法律の適用の仕方では、在外の特許権者の損害を十分に補填することができません。外国企業は、日本で自社製品を販売するために、既に日本市場に販路をもっている日本のメーカーを販売代理店として利用することも多いと思います。この点、控訴審において、知財高裁大合議は、英断を下したと思います。従前の裁判例とは異なり、特許権者が自ら特許発明を実施していない場合でも、特許法102条2項の損害額の推定規定の適用を認めたのです。</p>
<p>原告が主張したように、特許法102条2項は、損害（逸失利益）の発生までも推定する規定ではないところ、論ずべきは「損害（逸失利益）の発生の有無」であって、「特許権者の実施の有無」ではありません。特許権者による日本における特許発明の実施が、特許法102条2項の推定規定適用の要件であるかのようにこれまで論じられてきたのは、おかしいではないかというのが、今回の知財高裁大合議の判決です。</p>
<p>もちろん、特許権者が実施していない場合にいつでも特許法102条2項の推定規定が適用されるわけではありません。本件では、英サンジェニック社はコンビ社と独占販売契約を締結し、英国で製造された自社製カセットをコンビ社に販売（輸出）し、コンビ社がそれを日本において販売しています。このことから、英サンジェニック社はコンビ社を通じて日本国内に自社製カセットを供給し、日本市場を支配していることが認められます。また、英サンジェニック社のカセットは、被告の侵害製品と競合しており、被告の侵害行為がなければ、顧客は英サンジェニック社のカセットを購入していたであろうことが認められます。すなわち、被告の侵害行為によって、英サンジェニック社のカセットの日本国内での売上が減少していること（逸失利益の発生）が認められます。</p>
<p>このような事実経緯を踏まえて、裁判所は、原告には、被告の侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が認められることから、特許法102条2項の損害額の推定規定を適用しました。</p>
<p>外国企業が 日本において特許権を保有していても、損害賠償額が実施料相当額にしかならないのでは、日本で特許を取得して、日本市場に参入して競合メーカーと闘おうという意欲も減じられてしまいます。今回の知財高裁判決のような、現場のビジネス感覚に合った法律の解釈と適用は、特許権の活用を通じて市場の活性化を図る観点から、歓迎されます。日本はこのようなプロパテント政策をもっと推し進めるべきだと思います。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
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		<title>ibooksはインターネット電子書籍サービスの記述的商標でしかない</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1257</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1257#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 08 Oct 2013 08:02:08 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>
		<category><![CDATA[米国実務]]></category>

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		<description><![CDATA[Apple Inc.の商標iBooksの使用はJ. T. Colby &#38; Company, Inc.らが使用する未登録商標「ibooks」に抵触するとしてApple Inc.が訴えられた商標権侵害事件は、米国ニュ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><img class="alignleft" alt="iBooks icon" src="http://farm9.staticflickr.com/8388/8584814589_f1be1cab8a_m.jpg" /></p>
<p>Apple Inc.の商標iBooksの使用はJ. T. Colby &amp; Company, Inc.らが使用する未登録商標「ibooks」に抵触するとしてApple Inc.が訴えられた商標権侵害事件は、米国ニューヨーク州南部連邦地裁の2013年5月8日の略式判決によりColby側が敗訴しています（<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://www.dimt.it/immaginiUtenti/file/Contributi/IBooks_doc2.pdf" target="_blank">J.T. Colby &amp; Company, Inc. et al v. Apple, Inc.(S.D.N.Y. May 8, 2013)</a>）。しかし、これは電子書籍サービスにibooksという表記ができなくなることを意味しません。</p>
<p><span id="more-1257"></span></p>
<p>原告Colby &amp; Co., Inc.ら は、紙の書籍と電子書籍の両方にibooksという標章を使用していましたが、商標登録はしていませんでした（商標登録を試みたが米国特許商標庁に拒絶された経緯があるようです）。</p>
<p>原告らは、被告Apple Inc.が電子ブックリーダーソフトウェアに標章「iBook」を使用することは、原告の未登録商標「ibooks」に係る権利を侵害すると主張しました。日本では、商標登録することが商標権の効力発生要件です（「登録主義」）が、米国は「使用主義」を採用しており、商標権は商標の使用によって発生します。そのため本事件のような原告の未登録商標「ibooks」であっても商標権を主張することができます。</p>
<p>しかしながら、識別力（自他商品識別性）のない商標は保護されません。米国では、識別力の順に商標を(1) 普通名称（generic term）、(2) 記述的商標（descriptive mark）、(3) 暗示的商標（suggestive mark）、(4) 恣意的または創造的商標（arbitrary or fanciful mark)に分類しています（後になるほど識別力がある）。暗示的商標、恣意的または創造的商標は固有の識別力があることから、商標として保護されます。記述的商標は長期間使用された結果、「使用による識別性」（米国では、secondary meaningと呼ばれています）を獲得したことが立証されなければ、商標として保護されません。普通名称はそもそも識別力がなく、商標として保護されることはありません。</p>
<p>たとえば、商品「本」に付した標章「book」は「普通名称」であり、識別力がなく保護されません。商品「本」に付した標章「electronic book」（電子書籍）は、商品の性質を記述したものであり、「記述的商標」です。</p>
<p><img class="alignleft size-full wp-image-1260" style="line-height: 24px;" alt="ibooks" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/10/ibooks.jpg" width="176" height="181" /></p>
<p>原告らが使用していた未登録商標は「ibooks」という文字列の上に電球の図形（電球の中には「i」の文字がある）を組み合わせた結合標章でした。しかし、原告らは「ibooks」という文字列に識別性があると主張し、「ibooks」は、需要者に「アイデアのある本」を想起させる「暗示的商標」（suggestive mark）であると主張しました。原告らは、暗示的商標であれば（記述的商標ではないため）、使用による識別性（secondary meaning）を立証する必要はないとも主張しました。</p>
<p>確かに、電球は、「アイデア」や「ひらめき」を意味するマークとして使われますので、電球の図形を組み合わせた「ibooksのロゴ」には識別力がありそうです。地裁も、記述的な文字列が識別力のある図形と組み合わさった標識は、全体として、識別力をもちうることを認めています。しかし、原告らは、電球の図形を組み合わせたibooksのロゴに対する保護を求めたのではなく、Apple Inc.が電子書籍リーダーに「ibooks」という単語を使用することに対して権利を主張していたのです。</p>
<p>そのため、地裁は、電球の図形が有する識別性は考慮に入れず、単語「ibooks」における「i」の文字は「インターネット」を表すものとして需要者に認識されることから、原告の「ibooks」は「インターネットで販売される書籍」を意味する記述的商標に過ぎないとして原告の主張を退けました。</p>
<blockquote><p>In this case, the plaintiffs have presented no evidence that the ibooks mark conveys anything to consumers other than “books available for sale on the Internet.” In other words, the plaintiffs have not presented evidence to support a finding that the mark ibooks is anything other than a descriptive mark.</p></blockquote>
<p>また、「ibooks」が「記述的商標」であるとすれば、商標として保護されるためには、「使用による識別性」（secondary meaning）を立証することが原告に求められます。すなわち、需要者が標章「ibooks」を見れば、それが原告の商品であると認識できるほどの識別性を獲得していることが必要です。</p>
<blockquote><p>To determine whether secondary meaning exists, a court considers whether the primary significance of the mark to the consuming public is to “identify the source of the product<br />
rather than the product itself.”</p></blockquote>
<p>しかし、原告は、「ibooks」が「使用による識別性」を獲得したことを十分な証拠を挙げて立証することはできなかったようです。</p>
<blockquote><p>Drawing all inferences in the plaintiffs’ favor, no reasonable jury could conclude that, as of 2010 when Apple announced its e-reader software, a substantial segment of ordinary consumers in the plaintiffs’ market associated the mark “ibooks” with a single source.</p></blockquote>
<p>結局、原告の文字標章「ibooks」は記述的商標であり、使用による識別性を有しないことから、商標として保護されませんでした。</p>
<p>一方、Apple Inc.は、「インタラクティブでユーザが編集可能な電子ブックを支援および生成するためのコンピュータハードウェアおよびソフトウェア」に関する登録商標「IBOOK」をFamily Systems Ltd.から譲受しています。この判決によると、文字標章「ibooks」は記述的商標であるとされており、ibooksという文字列を、電子書籍の性質を記述的に説明するために用いる限りは、Apple Inc.の登録商標「IBOOK」の侵害を構成することはないと言えます。</p>
<p>なお、原告は地裁判決を不服として控訴しているようですから、今後の控訴審の判決にもご留意ください（控訴審判決が出れば、追って紹介いたします）。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
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		<title>ブラックベリー身売りの前に見ておきたいイギリスのコメディ</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1225</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1225#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 27 Sep 2013 09:24:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>

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		<description><![CDATA[カナダの通信機器メーカーのブラックベリー・リミテッド（旧リサーチ・イン・モーション・リミテッド）がカナダのフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングズを中心とする企業連合に身売りすることが決まった。数年前までは米国 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Autumn Blackberries" href="http://www.flickr.com/photos/63364670@N02/9955006474/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Autumn Blackberries" src="http://farm3.staticflickr.com/2877/9955006474_e7e82550c7_m.jpg" /></a>カナダの通信機器メーカーのブラックベリー・リミテッド（旧リサーチ・イン・モーション・リミテッド）がカナダのフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングズを中心とする企業連合に身売りすることが決まった。数年前までは米国人がブラックベリーをもっているのをよく見かけたが、今ではすっかりiPhoneに取って代わってしまった。いよいよブラックベリーが姿を消してしまう前に、ぜひ見納めしておきたいイギリスのコメディがある。<span id="more-1225"></span><iframe style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" src="//www.youtube.com/embed/kAG39jKi0lI" height="315" width="560" allowfullscreen="" frameborder="0"></iframe></p>
<p>イギリスの二人のコメディアン<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Ronnie_Corbett" target="_blank">Ronnie Corbett</a>と<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Harry_Enfield" target="_blank">Harry Enfield</a>が演じたスケッチ・コメディ&#8221;My Blackberry Is Not Working!&#8221;である（注：イギリスでは日本でいう「コント」のことをsketch comedyという）。2010年12月にBBCで放映されたものだ。</p>
<p>イギリス人のユーモアのセンスが炸裂した作品であり、傑作だと思う。（というかおやじギャグ満載！）</p>
<p>トランスクリプトとともに載せた私の解説を見ながら、お腹を抱えて笑って欲しい。そしてこの世にブラックベリーという、かつてはスマートフォンの代名詞であった多機能携帯端末があったことを記憶にとどめたいと思う。</p>
<p><strong>My Blackberry Is Not Working! from BBC</strong></p>
<p>CUSTOMER I bought something from you last week and I&#8217;m very disappointed.</p>
<p>SHOPKEEPER Oh, yeah. What&#8217;s the problem?</p>
<p>CUSTOMER Yeah, well my blackberry is not working.<br />
SHOPKEEPER What&#8217;s the matter with it? Run out of juice?</p>
<p>※run out of juiceとは、「電池切れになる」の意味があり、ブラックベリーの果汁がなくなることと掛けている。</p>
<p>CUSTOMER No, no, its completely frozen.</p>
<p>※凍ったブラックベリーを、コンピュータが「フリーズする」ことと掛けている。</p>
<p>SHOPKEEPER Oh yeah, I can see that. I&#8217;ll tell you what, let&#8217;s try it on orange.</p>
<p>CUSTOMER That&#8217;s got a few black spots, you see&#8230;</p>
<p>※オレンジに黒い斑点（black spots）があると言っているが、Orangeとは欧州の携帯電話キャリアのことであり（<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%A0" target="_blank">wikipedia:フレンチテレコム</a>参照）、black spotsとはここでは携帯電話の電波が届かないエリア、すなわち圏外となるエリアのことを指している。（ここで、観客の笑い声が聞こえないのは、イギリスのおばちゃんたちにはこれがわからなかったのだろう。）</p>
<p>店員はlet&#8217;s try it on orange（ブラックベリーのキャリアをOrangeに変えてみては）と勧めたが、客はOrangeには圏外が多いからなと不満を言っている。</p>
<p>SHOPKEEPER Oh dear, yeah, sorry about that.</p>
<p>CUSTOMER Well are you gonna get my blackberry working?</p>
<p>SHOPKEEPER Well, it could be an application issue. Where do you store that blackberry?</p>
<p>※使い方（application）の問題だというが、コンピュータのアプリケーションの意味を込めたのだろう。ストア（store）もコンピュータ用語だ。</p>
<p>CUSTOMER Well, it&#8217;s on my desktop.</p>
<p>※食卓の上でなくて、デスクトップって（笑）</p>
<p>SHOPKEEPER Well, you could try using a mouse to drag the blackberry to the trash. Then after you&#8217;ve done that, you might want to launch the blackberry from the desktop.</p>
<p>CUSTOMER Well, I&#8217;ve already tried that a few times. I mean all it did was mess up windows.</p>
<p>※マウス、ドラッグ、ゴミ箱（trash）、ローンチ（lauch）、ウインドウ…完全にコンピュータの話になりました。</p>
<p>SHOPKEEPER Well, it might be worth waiting a couple of weeks. They&#8217;ve got the latest blackberries coming in then.</p>
<p>CUSTOMER Well, could you give me a date?</p>
<p>SHOPKEEPER Certainly.</p>
<p>CUSTOMER Let me put that date in my diary.</p>
<p>※日付とデーツ（なつめやし）を掛けている。ここ、私、ツボなんです。おかしすぎる。</p>
<p>SHOPKEEPER Anything else I can help you with.</p>
<p>CUSTOMER Yes, yes, I&#8217;ve also got a problem to be honest with my apple.</p>
<p>※この「アップル」はいわずと知れた、アップルですね。</p>
<p>SHOPKEEPER Oh dear, oh dear. That is an old apple isn&#8217;t it? When did you buy that?</p>
<p>CUSTOMER Last week.</p>
<p>SHOPKEEPER Last week, huh, they&#8217;ve brought out two new apples since then. What&#8217;s the problem with it?</p>
<p>※bring outは、「（新製品を）発売する」の意味。アップルの新製品が出たと言っている。</p>
<p>CUSTOMER Well, I tried to put my dongle in it and it won&#8217;t fit.</p>
<p>※「ドングル（dongle）」（コンピュータにＵＳＢなどで接続する小さなハードウェアキー）の話をしているが、dangleという男性の「イチモツ」を意味する俗語がある。ドングルがうまくフィットしないと客が言ったときの、店員のにやけた表情に注目！</p>
<p>SHOPKEEPER Oh yeah, &#8230; and how big&#8217;s your dongle?</p>
<p>※「おたくのドングルはどれくらいの大きさなの？」　それ聞いちゃいけないって。</p>
<p>CUSTOMER Well I don&#8217;t know much about these things but my wife&#8217;s seen a few dongles in her time and she says its a little bit on the small side.</p>
<p>※奥さんいわく、あなたの「ドングル」は今まで見た中ではちょっと小さい方よ、って・・・こ、これ、ＢＢＣですよ。イギリス人は下ネタがわりと好きなんです。コメディではよくあります。</p>
<p>SHOPKEEPER Well, I&#8217;m afraid there&#8217;s not a lot I can do about that. Tell you what, let me try booting it. Ah, its crashed. Anything else I can help you with?</p>
<p>※ブート（蹴飛ばす）してみよう。あ、クラッシュした！</p>
<p>CUSTOMER Well, funnily enough yes. Its my grandson&#8217;s birthday soon. Now he&#8217;s already got a blackberry and an apple. I mean have you got anything else that he might just like?</p>
<p>※ブラックベリーも買ったし、アップルも買ったし、あとは何があるの？</p>
<p>SHOPKEEPER Well, we&#8217;re doing a special offer on these. I mean I can&#8217;t make head or tail of them but the kids seem to like them. Eggs box. Three sixty. (£3.60)</p>
<p>※Ｘｂｏｘ３６０か！</p>
]]></content:encoded>
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		<title>人をほっとさせるレモン飲料なのか、温かいレモン飲料なのか？</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1201</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1201#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 18 Sep 2013 09:01:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[カルピス株式会社の商標「ほっとレモン」の商標登録の取消決定を維持する判決が知財高裁から出されました（平成24年(行ケ)10352号（知財高裁平成25年08月28日判決））。カルピス社は商標「ほっとレモン」が「人をほっとさ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Calpis Hot Lemon" href="http://www.flickr.com/photos/39264085@N05/6973013701/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Calpis Hot Lemon" src="http://farm8.staticflickr.com/7183/6973013701_697261cdf4_m.jpg" /></a>カルピス株式会社の商標「ほっとレモン」の商標登録の取消決定を維持する判決が知財高裁から出されました（<a href="http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130829114918.pdf" target="_blank">平成24年(行ケ)10352号（知財高裁平成25年08月28日判決）</a>）。カルピス社は商標「ほっとレモン」が「人をほっとさせるレモン飲料」というイメージとともに多くの需要者に周知されてきていると主張しましたが、裁判所は、商標「ほっとレモン」は、「温かいレモン飲料」であることを普通に表示する標章のみからなる商標に過ぎず、「ほっと」の文字部分が長く使用された結果、商品の出所識別機能を有するに至ったものではないとしました。<span id="more-1201"></span></p>
<p>カルピス株式会社は、「レモンを加味した清涼飲料、レモンを加味した果実飲料」を指定商品とする商標「ほっとレモン」（商標登録第５４２７４７０号）の商標権者ですが、サントリーホールディングス株式会社およびキリンホールディングス株式会社から登録異議の申立てがなされ、特許庁により、商標登録を取り消す旨の決定がなされました。本事件は、カルピス株式会社（原告）が、特許庁の異議決定の取り消しを裁判所に請求したものです。</p>
<p>一般に、 「商品の…品質、原材料…を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」（商標法３条１項３号）は商標登録を受けることができません。商品の品質や原材料をそのまま記述しただけの商標（「記述的商標」と呼ばれます）に商標登録を認めると、他人が取引に際し商品の内容を表示することもできなくなるからです。「ほっとレモン」が「温かいレモン飲料」であることを普通に表示する標章のみからなる商標（記述的商標）であるとすると、商標登録は受けることができません。</p>
<p>しかしながら、そのような記述的商標であっても、長く使用された結果、識別力を有するようになる商標もあります。これを「使用による識別性」を獲得した商標といいますが、使用によって識別力をもつに至った商標については以下のように例外的に登録が認められています。</p>
<blockquote><p>前項第三号（筆者注：「記述的商標」）から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が<strong>何人かの</strong>業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。（商標法３条２項）</p></blockquote>
<p>この「使用による識別性」に関して、原告のカルピス株式会社はたいへん興味深いアンケート調査結果を裁判所に提出しています（当該判決から引用します）。</p>
<blockquote><p>『缶やペットボトル入りの温かいレモン飲料』ときくと，なんという商品名やメーカー（会社名）が思い浮かぶか」との質問に対して，「ホットレモン」と回答した者は全体の２７．３％であり，「ほっとレモン」と回答した者は全体の２０．３％であった。</p>
<p>ａ 「ホットレモン」と回答した者に対するさらなる質問において，メーカー名について回答した者は次のとおりであった。<br />
キリン（０．７％）<br />
カルピス（１．０％）<br />
サントリー（０．７％）<br />
ダイドー（０．７％）<br />
ポッカ（９．７％）<br />
ＪＴ（０．３％）<br />
小岩井（０．３％）。<br />
わからないとの回答（１４．７％）。</p>
<p>ｂ また，「ほっとレモン」と回答した者のうち，メーカー名について回答した者は，次のとおりであった。<br />
カルピス（０．３％）<br />
キリン（０．３％）<br />
サントリー（０．３％）<br />
アサヒ（０．７％）<br />
ポッカ（７．７％）<br />
わからないとの回答（１１．０％）</p></blockquote>
<p>質問に対して需要者の２割が商標「ほっとレモン」を思い浮かべるが、それがカルピスの商標であると正しく認識できている需要者は全体の０．３％ときわめて少ないことがわかります。</p>
<p>かくいう私も、あの温かいペットボトルに入った「ほっとレモン」はとても好きで愛飲していましたが、これがカルピスの商品であることはあまり意識していませんでした（私も７．７％の需要者のようにポッカの商品と思い込んでいたかもしれませんーこれは失礼しました！）。</p>
<p>裁判所は、この需要者のアンケート調査結果を踏まえ、「「ほっとレモン」の文字，及び同文字の一部である平仮名「ほっと」が，調査時点において，「缶やペットボトル入りの温かいレモン飲料」との品質，原材料等を説明的に示すものとして使用されており，それを超えて，特定の出所識別機能を有するものとして使用されているということはできない。」と認定しています。</p>
<p>しかし、もう一度、法律に戻って考えてみましょう。商標法３条２項には「使用をされた結果需要者が<strong style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;">何人かの</strong>業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。」とあります。ここで条文に「何人かの」と規定されているのは、当該商標を付した商品が特定人の業務に係るものであることの認識までは問わない趣旨であると解されます。すなわち法律上は、使用による識別性が認められるためには、＜誰＞（who）の業務に係る商品であるかを特定できなくても、＜誰か＞（somebody）の業務に係る商品であることを認識できれば足りると解されます。</p>
<p>「ほっとレモン」はどうでしょうか。アンケート調査によれば、質問に対して需要者の２０．３％が「ほっとレモン」と回答しており、それが＜誰か＞の業務に係る商品であることを認識しているようです。しかし、それが＜誰＞の業務に係る商品であるかを正しく認識できている人はごくわずかでした。需要者全体の２０．３％という数字が十分であるかどうかという問題はありますが、「ほっとレモン」が記述的商標であったとしても、カルピス社がその商標を使用した商品を大量に販売し、広告宣伝活動にも努めた結果、需要者の相当数が「ほっとレモン」が<strong style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;">何人かの</strong>業務に係る商品であることを認識することができるようになったと評価する余地もあるように思います。</p>
<p>さらには、「本件商標を「みた／みたような気がする」と回答した者は９０％であり，「ＣＡＬＰＩＳ」の文字を消去した原告商品の写真について「みた／みたような気がする」と回答した者は９５．７％であった。」との調査結果や、「缶やペットボトルに入ったホット飲料と聞くとどのようなブランドを思い浮かぶかとの問いに対して，「ほっとレモン」と回答したのは被験者全体の１７．４パーセントで，ホットドリンク全体の５番目に位置した。最も多く連想されたのは，「ジョージア」で３４．８パーセントであった。原告商品の商品認知度は８０パーセントであり，果実系飲料の中では最も高かった（甲３の１１）。」という調査結果も証拠提出されています。</p>
<p>需要者の多くは、本件商標「ほっとレモン」を付した商品がカルピスの業務に係るものであるとは正しく認識していないものの、本件商標「ほっとレモン」を付した商品を他の商品の中から選り分けて購入していることをうかがい知ることができると思います。</p>
<p>裁判所は、本件商標「ほっとレモン」が「特定の出所識別機能を有するものとして使用されているということはできない。」と認定していますが、商標の本質（本来的な機能）は、自社商品を他社商品から識別すること（「識別性」）にあり、「出所表示機能」（商標が付された商品の出所を需要者に認識させる機能）は、識別性のある商標から派生する三つの機能の一つである（他の二つは「品質保証機能」と「広告宣伝機能」であるとされています）と整理することもできます。</p>
<p>商標法３条２項の条文に立ち返って考えるなら、記述的商標であっても、長く使用された結果、需要者が＜何人か＞（any person）の業務に係る商品であることを認識することができるもの、すなわち自他商品識別機能を有するに至ったものについては、例外的に、商標登録を受けることができると考えることができそうです。条文は＜特定の者＞（a particular person）の業務に係る商品であることを認識することができることまでも求めていないように読めます。</p>
<p>商標「ほっとレモン」は、どこかで見たような気がするが、どの飲料メーカーだったかは覚えていない。一般需要者というのはそういうものだと思います。コンビニエンスストアや自販機などで販売されているものであれば、消費者は、一定の品質が保証されたメーカーによる飲料であるとして、安心して購入します。商標によって自分が飲みたい商品を他の商品から選別していますが、その商標がどの飲料メーカーの商標であるかはあまり意識していないものです。</p>
<p>商標とは、「商品を購入し、あるいは役務（サービス）の提供を受ける需要者が、その商品や役務の出所（誰が提供しているか）を認識可能とするために使用される標識」であり、「需要者は、標章を知覚することによって商品や役務の出所を認識し、購入したい商品、または提供を受けたい役務を選択することができる。」と説明されますが（<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%86%E6%A8%99" target="_blank">wikipediaより引用</a>）、需要者は本当に商品の出所（誰が提供しているか）を認識しながら、商品を買っているのでしょうか。「ほっとレモン」の例を考えるとき、需要者は、商標の出所表示機能（誰の商品であるか）よりは、自他商品識別機能（どの商品であるか）を頼りに、商品を選択しているようにも思えます。自分の消費行動を振り返ってもそういうことがしばしばあります。気に入って繰り返し買う商品であっても、「あれっ？どこのメーカーだっけ？」とわからなくなる（意識すらしていない）こともしばしばです。</p>
<p>なお、補足しますが、仮に「ほっとレモン」に商標登録が認められたとしても、「温かいレモン飲料」であること（当該商品の品質や原材料）を普通に用いられる方法で表示する商標の使用には商標権の効力は及びません（商標法第２６条１項２号）。商標「ほっとレモン」に使用による識別性が認められ、指定商品「レモンを加味した清涼飲料、レモンを加味した果実飲料」について商標登録がなされたとしても、指定商品もしくはこれに類似する商品の品質や原材料を普通に用いられる方法で表示する商標を使用しても（たとえば、缶入りの温かいレモンジュースに普通に「ホットレモン」と表示した商品を販売するなど）、「ほっとレモン」の商標権の侵害にはならないし、そのような商標にはそもそも「ほっとレモン」に認められるような「自他商品識別機能」がないわけですから、「ほっとレモン」との間で、出所混同が生じる心配もないと考えられます。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg"><img class="alignleft" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所</a><br />
<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank">弁理士　青木武司</a></p>
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		<item>
		<title>土屋アンナさん主演の舞台「誓い奇跡のシンガー」を巡る騒動</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/1078</link>
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		<pubDate>Tue, 30 Jul 2013 10:02:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[法律問題]]></category>

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		<description><![CDATA[土屋アンナさんが主演予定であった舞台「誓い奇跡のシンガー」が昨日突然公演中止となったことで話題になっています。この舞台作品は、身体障害と言語障害を抱える女性歌手・濱田朝美さんの「日本一ヘタな歌手」（光文社）という小説が原 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Anna_Tsuchiya" href="http://www.flickr.com/photos/69684316@N07/6335282011/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Anna_Tsuchiya" src="http://farm7.staticflickr.com/6094/6335282011_8b2f1d5d76_m.jpg" /></a>土屋アンナさんが主演予定であった舞台「<a href="http://chikai.tact-be.com/gaiyou.html" target="_blank">誓い奇跡のシンガー</a>」が昨日突然公演中止となったことで話題になっています。この舞台作品は、身体障害と言語障害を抱える女性歌手・濱田朝美さんの「<a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%80%E3%83%98%E3%82%BF%E3%81%AA%E6%AD%8C%E6%89%8B-%E6%BF%B1%E7%94%B0-%E6%9C%9D%E7%BE%8E/dp/4334975895" target="_blank">日本一ヘタな歌手</a>」（光文社）という小説が原案となっているそうです。公演主催者側は、主役の土屋アンナさんが「公的にも私的にも何らの正当な理由なく無断で舞台稽古に参加せず（中略）専らそのことが原因で同公演を開催することができなくなりました」と<a href="http://chikai.tact-be.com/" target="_blank">公式サイト</a>で発表し、「土屋アンナ氏に社会人としての責任をお取りいただくべく，損害賠償訴訟を含む断固たる措置を講じる所存です」としており、穏やかでない事態に進展しています。原作者の濱田朝美さんのブログによれば、土屋アンナさんが舞台稽古への参加を拒否した背景には原作者の著作権の許諾に絡む事情があったようです。</p>
<p><span id="more-1078"></span></p>
<p>濱田朝美さんが昨夜遅くアップしたブログ記事「<a href="http://ameblo.jp/sakura-smile-for-you/entry-11582675117.html" target="_blank">重大なお話！</a>」によれば、彼女は自分の小説「<a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%80%E3%83%98%E3%82%BF%E3%81%AA%E6%AD%8C%E6%89%8B-%E6%BF%B1%E7%94%B0-%E6%9C%9D%E7%BE%8E/dp/4334975895" target="_blank">日本一ヘタな歌手</a>」の舞台化を許可したことはないと主張しています。彼女のブログによれば、土屋アンナさんは、舞台監督に掛け合って「原作者が納得し、許可した舞台でないのなら、出演出来ません」と伝えたということです。</p>
<p>濱田朝美さんと光文社の出版契約がどのような内容であったのか、私には知ることができないので、この事件に対する直接のコメントは差し控えますが、出版契約とは一般にどういうものか、そこにどのような問題が潜んでいるのかを解説したいと思います。まず、日本書籍出版協会に<a href="http://www.jbpa.or.jp/pdf/publication/denshikeiyaku1.pdf" target="_blank">出版等契約書のヒナ形</a>があったのでこのひな形にもとづいて説明します。</p>
<p>著作物の出版権を出版社に設定する契約により、出版社は、著作物を出版物として複製および頒布する権利を専有することになりますが、契約の条項によっては、著作物の二次利用についても出版社がコントロールする場合があります。上記の<a href="http://www.jbpa.or.jp/pdf/publication/denshikeiyaku1.pdf" target="_blank">出版等契約書のヒナ形</a>によれば、</p>
<blockquote><p>第３条（二次的利用）<br />
本契約の有効期間中に、本著作物が翻訳・ダイジェスト等、演劇・映画・放送・録音・録画等、その他二次的に利用される場合、甲はその利用に関する処理を乙に委任し、乙は具体的条件について甲と協議のうえ決定する。</p></blockquote>
<p>とあります。この契約では、出版社が著作物の翻案（映画化や舞台化など）等、著作物の二次的利用については、その利用に関する処理（注：ここでは、著作権の管理全般のことを指すと思われる）を、著作権者（甲）は出版権者（乙）に委任することになっています。契約書において、このような取り決めがなされるかどうかは、著作権者（原著作者）と出版社との力関係にも依ります。出版社が、著作物を出版する権利を専有するとともに、映画化などの権利処理については我々出版社側に任せて欲しいというような場合はこのような委任の条項を追加するでしょうし、原著作者にしても、そういうありがたい話（映画化やドラマ化など）があれば、著作権の権利処理などの面倒な話は出版社にお任せしたいということもあると思います。</p>
<p>今回の濱田朝美さんと光文社の出版契約において、著作物の二次的利用に関する権利処理を出版社に委任する内容が含まれていたかどうかはわかりません。もしそのような委任契約があったのであれば、出版元が舞台制作者や舞台監督（演出家）に対して、著作物の二次的利用に係る翻案権や上演権などの著作権の権利処理を著作者に代わって行うことは、それ自体は当初の契約通りということになるでしょう。もっとも、その場合でも上記契約の条項によれば、「乙は具体的条件について甲と協議のうえ決定する」必要があります。</p>
<p>無名の著作者の場合、出版社との力関係で言えば、とても弱い立場にあるのが普通ですから、出版契約書の内容次第ですが、二次的利用の権利処理を出版社に委任していたり、二次的利用を許諾するような契約になっている場合もあるのかもしれません。</p>
<p>もう一つの争点は、「著作者人格権」です。これは、著作者の人格的利益を保護する強力な権利であり、出版社にとっては扱いにくい、やっかいな権利です。人格権ですから、誰にも譲渡されることのない、著作者固有の権利です。上記の<a href="http://www.jbpa.or.jp/pdf/publication/denshikeiyaku1.pdf" target="_blank">出版等契約書のヒナ形</a>には第10条に規定されています。</p>
<blockquote><p>第10条（著作者人格権の尊重）<br />
乙は、本著作物の内容・表現または書名・題号等に変更を加える必要が生じた場合には、あらかじめ著作者の承諾を得なければならない。ただし、甲が著作者である場合には、甲は乙に対し、電子出版その他電子的に利用するために必要な範囲において、乙が本著作物に加工、改変等を行うこと、見出し・キーワード等を付加することをあらかじめ許諾する。</p></blockquote>
<p>これはいわゆる「同一性保持権」というもので著作権法の第20条に規定されています。著作権法に明記されているので、出版契約に上記のような条項が設けられていなくても、原著作者が主張することができる権利です。</p>
<blockquote><p>著作権法第二十条 　著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。</p></blockquote>
<p>同一性保持権は、著作者人格権の一つであり、著作者の人格的利益を保護するものです。それに対して、著作物を映画化するなど翻案することのできる翻案権は、著作権の一つであり、著作権者の財産的利益を保護するものです。著作者＝著作権者である限りは、どちらも同一人物に属するので、おそらく問題は生じませんが（問題が生じるとすると、その人の人格が破綻しているということではないでしょうか（笑））、翻案権が譲渡されたり、翻案権が許諾されると、同一性保持権と翻案権（またはそのライセンス）が別人に属することになり、同一性保持権を有する著作者と翻案権の譲渡を受けた著作権者（または翻案権の許諾を受けたライセンシー）の間で緊張関係が生じることがあります。</p>
<p>翻案権の譲渡を受けた者（翻案権についての著作権者）または翻案権の許諾を受けた者（翻案権についてのライセンシー）が著作物の改変を行った場合、著作者は同一性保持権を行使して、著作権者またはライセンシーの改変を差し止めることができるのでしょうか。これはたいへん難しい問題です。翻案権の譲渡もしくは許諾を受けたからといって、同一性保持権を完全に無視していかなる改変を行ってもよいということはありえないし、かといって、原作者に同一性保持権を主張されて一切の改変ができなくなると、原作にもとづいた脚本なんてそもそも作ることができません。翻案権が譲渡もしくは許諾されると、著作者の同一性保持権は一定の制限を受けると考えられますが、同一性保持権（人格権）と翻案権（財産権）の狭間にあって、どのような範囲の改変までが実際に許容されるのかは、判断が難しいところです。</p>
<p>原作者の濱田朝美さんは上記ブログの中で、</p>
<blockquote><p>そしてその台本を見ましたが、私の本が原作とは思えない程、内容が異なっており、自分の人生を侮辱された様な気持ちでした。</p></blockquote>
<p>と述べておられますが、これがまさに同一性保持権の問題です。原著作者は小説を原作（原案）として制作されたとされる舞台作品について、同一性保持権を主張して、当該舞台作品の上演を差し止めする権利を有する可能性があります。</p>
<p>ところで、土屋アンナさんに対して舞台制作者側が行う損害賠償請求について、土屋アンナさんは何らかの抗弁ができるでしょうか。土屋アンナさんに原作品についての著作権はありませんので、著作権法上の主張はできませんが、著作権または著作者人格権を侵害する態様で企画された舞台作品に対する出演契約についてはそもそも無効であるとの主張を行うことになりそうです。</p>
<p>Ｐ．Ｓ．土屋アンナさんを梅宮アンナさんと間違える方が結構いらっしゃるようなので（笑）、念のため。土屋アンナさんの侠気は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%B3%95%E4%BA%BA%E6%98%8E%E6%98%9F%E5%AD%A6%E5%9C%92" target="_blank">明星学園</a>ゆずりでしょうか（facebook投稿<a href="https://www.facebook.com/aquilatakeshi.aoki/posts/535162079866592" target="_blank">「あの勝ち気なキャラと潔さは、明星学園ゆずりか？」</a>）。</p>
<p><a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki" target="_blank"><img class="alignnone size-full wp-image-328" alt="aoki" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/01/aoki.jpg" width="90" height="90" /></a>　<a href="http://primeworks-ip.com/members/attorneys/takeshi-aoki">弁理士　青木武司</a></p>
<p><a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://iplawbusiness.net/%E5%85%8D%E8%B2%AC%E4%BA%8B%E9%A0%85" target="_blank">免責事項を</a><a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://iplawbusiness.net/%E5%85%8D%E8%B2%AC%E4%BA%8B%E9%A0%85" target="_blank">お読みください</a></p>
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		<title>「俺のからあげ」改め「俺にはからあげ」</title>
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		<pubDate>Thu, 09 May 2013 05:19:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[これは「事件」です！ 恵比寿には毎日長蛇の列ができる「俺のフレンチ」があります。その道路を挟んで目の前には鶏の唐揚げで評判の小さな店があります。 この唐揚げ屋さんは「俺のフレンチ」が恵比寿に進出する前から、ここ恵比寿にあ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/05/IMG_3149.jpg"><img class=" wp-image-983 alignleft" alt="IMG_3149" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/05/IMG_3149.jpg" width="194" height="259" /></a> これは「事件」です！</p>
<p>恵比寿には毎日長蛇の列ができる「俺のフレ<wbr />ンチ」があります。その道路を挟んで目の前には鶏の唐揚げで評判の小さな<wbr />店があります。<span id="more-980"></span></p>
<p>この唐揚げ屋さんは「俺のフレンチ」が恵比寿に進出する前から、ここ恵比寿にあるのですが、ここが「俺のか<wbr style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" />らあげ」という看板を道路に出し始めたのはここ最近のことでした。今日その<wbr style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" />看板を見たら、「の」を消して「には」に書き直してありました。</p>
<p>！！！！！</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/05/IMG_3150.jpg"><img class="wp-image-984 alignleft" alt="IMG_3150" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/05/IMG_3150.jpg" width="243" height="324" /></a></p>
<p>「俺のフレンチ」はＶＡＬＵＥ　ＣＲＥＡＴＥ株式会社の登録商標（商標登録第５５６３１１７号）です。「俺のフレンチ」さんから、便乗商法とのクレームを受けたのでしょうか？それとも商標権侵害の警告を受けたのでしょうか？</p>
<p>そもそも商標権の侵害になるのでしょうか？「俺のフレンチ」という商標は、それ自体には識別力のない「俺の」のすぐ後に、国名の形容詞であってその国の料理を意味するものとしても理解される「フレンチ」をつけることで全体として識別性があるものとなっています。国名の形容詞がそのままその国の料理を意味するものとしても使われるのは、フレンチ以外には、イタリアンくらいでしょうか。「俺のジャパニーズ」とか、「俺のスパニッシュ」とか言っても何のことかわからないですよね。「俺のイタリアン」を使う人がいたら、「俺のフレンチ」と同一の会社もしくは系列会社が経営していると出所混同が起こるのはわかりますが、「俺のからあげ」は、「俺の」のあとに国名の形容詞がついているのではなく、「料理名」が付いているので、少し状況が違うと思います。</p>
<p>しかし、「俺のフレンチ」レストランのすぐ向かい側で「俺のからあげ」の看板を出されると、うちの商標のフリーライド（ただ乗り）ではないかと言いたくなる気持ちもわかります。みなさんはこの問題をどうお考えになりますか？</p>
<p>今度<wbr style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" />、鳥の唐揚げ定食を食べながらお向かいさんからどんな苦情があったのか、根掘り葉掘り聞いてみたいです。</p>
<p>ちなみに私は「俺のフレンチ」に並んだこともないし、食べたこともありません。残念！</p>
<p>参考記事：<a href="http://ameblo.jp/pw-trademark/entry-11522616164.html" target="_blank">プライムワークス国際特許事務所　商標弁理士のブログ「俺のフレンチ」</a></p>
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		<title>Apple対SamsungのiPad共同体意匠権侵害訴訟ードイツとオランダ</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/672</link>
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		<pubDate>Thu, 21 Feb 2013 09:29:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[欧州実務]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>

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		<description><![CDATA[2011年8月6日Apple Inc.（米国） は、Samsung Germany（ドイツ）とSamsung（韓国）がApple社の共同体意匠権181607-0001（iPadの意匠権）を侵害したとして、ドイツのデュッセ [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="iPad_Jobs" href="http://www.flickr.com/photos/78558229@N00/4312928207/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="iPad_Jobs" src="http://farm5.staticflickr.com/4010/4312928207_c1383b3c84_m.jpg" /></a>2011年8月6日Apple Inc.（米国） は、Samsung Germany（ドイツ）とSamsung（韓国）がApple社の共同体意匠権181607-0001（iPadの意匠権）を侵害したとして、ドイツのデュッセルドルフ地裁に仮差止請求を求めた。本訴訟では共同体意匠裁判所としての国際管轄権の範囲がドイツ国内に限られるか、ＥＵ全域に及ぶかが大きな問題となった。共同体意匠権はＥＵ全体で一つの意匠権であるが、被告の一部にＥＵ域外の会社（本訴訟ではサムスン（親会社）はＥＵ域外）である場合、ドイツ地裁の判決の効力がＥＵ全体に及ぶとは限らない。<span id="more-672"></span></p>
<p>本訴訟では、デュッセルドルフ地裁は、アップルのサムスンに対する仮差止請求を認容する判決を下した。2011年8月9日当初の仮処分命令では、Samsung GermanyおよびSamsung（韓国）に対するEU全域（オランダを除く（注１））に対する仮差止請求を認容していた（注２）が、法曹界で激しい批判にさらされた結果、8月16日に一時執行停止し、同年9月9日に、Samsung Germanyに対する仮差止請求はEU全域（オランダを除く）に対して有効であるのに対して、Samsung（韓国）に対する仮差止請求は、ドイツ国内でのみ有効である旨、判決を補正し、最終的な仮処分決定がなされた（注３）。判決の補正がなされた理由は、本判決の中で共同体意匠裁判所の管轄権の範囲の違いによるものであるとして以下のように説明されている。</p>
<p>被告Samsung Germanyに対する仮差止請求については、被告の住所のある加盟国ドイツのデュッセルドルフ地裁が共同体意匠裁判所として国際管轄権をもち（共同体意匠規則第８２条(1)）、その管轄権の範囲はＥＵ全域に及ぶ（共同体意匠規則第８３条(1)）。</p>
<p>一方、被告Samsung（韓国）に対する仮差止請求については、被告の侵害行為地である加盟国ドイツのデュッセルドルフ地裁が共同体意匠裁判所として国際管轄権をもつが（共同体意匠規則第８２条(5)）、その管轄権の範囲は当該裁判所が所在している加盟国ドイツ国内に限られる（共同体意匠規則第８３条(2)）。</p>
<p>この判決を踏まえると、共同体意匠を権利行使する相手がＥＵ域外の会社であった場合、ＥＵの主要国で裁判を提起する必要がある。ＥＵへの輸入の入り口となっているロッテルダム港を有するオランダにおいて仮差止請求が認められれば、その先のＥＵの他国への流通の首根っこを抑えることができるというメリットがある。その他、イギリス、ドイツやフランスなど主要な製品の市場で訴訟を提起することになろう。</p>
<p>（注１）オランダではApple Inc.は同一の共同体意匠権181607-0001についてSamsung Electronics Benelux（オランダ）、SAMSUNG ELECTRONICS LOGISTICS EUROPE（オランダ）、SAMSUNG ELECTRONICS OVERSEAS（オランダ）、Samsung South Korea（韓国）、Samsung Netherlands（オランダ）、およびSamsung（韓国）を被告として別の裁判を起こしていたため、オランダは管轄権の範囲から除かれた。</p>
<p>（注２）原告は、Samsung Germanyは、被告Samsung(韓国)のドイツにおける「事業所」とみなすべきであると主張していたようである。仮にそうであれば、被告Samsung（韓国）の事業所のある加盟国ドイツのデュッセルドルフ地裁が、被告Samsung（韓国）に対する仮差止請求に関する国際管轄権をもち（共同体意匠規則第８２条(1)）、その管轄権の範囲はＥＵ全域に及ぶ（共同体意匠規則第８３条(1)）が、判決ではSamsung Germanyは、Samsung（韓国）とは独立した子会社であるから、Samsung（韓国）の「事業所」とは認められなかった。</p>
<p>（注３）補正前の仮処分決定(2011/8/9)については<a href="http://www.fosspatents.com/2011/08/preliminary-injunction-granted-by.html" target="_blank">Preliminary injunction granted by German court: Apple blocks Samsung Galaxy Tab 10.1 in the entire European Union except for the Netherlands</a>に詳しい。仮処分決定の補正の経緯については<a href="http://www.fosspatents.com/2011/09/translation-of-dusseldorf-regional.html" target="_blank">Translation of Düsseldorf Regional Court&#8217;s detailed ruling against Samsung Galaxy Tab 10.1</a>に詳しい。</p>
<p>ブラッセルＩ規則および共同体意匠規則の国際管轄権の規定については別途詳しく解説したい（とりいそぎ、弁理士会の国際活動センターからのお知らせ「<a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" href="http://www.jpaa.or.jp/about_us/organization/affiliation/kokusai/gaikokujouhou/report/europe/de/pdf/CommunityDesign.pdf" target="_blank">共同体意匠に関する訴訟の管轄権</a>」ご参照ください）。</p>
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		<title>差止請求認容判決の強制履行の手段ー間接強制</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/677</link>
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		<pubDate>Tue, 19 Feb 2013 10:36:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[日本実務]]></category>
		<category><![CDATA[法律問題]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>
		<category><![CDATA[米国実務]]></category>

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		<description><![CDATA[特許権や商標権の侵害で差止請求を認容する判決が出た場合、その判決を強制履行する手続に移る。裁判所で差止請求が認容されたからといって、被告が直ちに債務履行するとは限らないので、強制執行が必要になる。強制履行の手段として、直 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="Patent troll spread illustration" href="http://www.flickr.com/photos/73122720@N00/6257470210/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="Patent troll spread illustration" src="http://farm7.staticflickr.com/6171/6257470210_d130db75b9_m.jpg" /></a>特許権や商標権の侵害で差止請求を認容する判決が出た場合、その判決を強制履行する手続に移る。裁判所で差止請求が認容されたからといって、被告が直ちに債務履行するとは限らないので、強制執行が必要になる。強制履行の手段として、直接強制、代替執行、間接強制の３通りがある。<span id="more-677"></span></p>
<p>侵害製品の製造販売を禁止する差止請求（特許法１０１条１項、商標法３６条１項）は、被告に対して「～してはならない」という不作為債務の履行を求めるものであるから、その強制執行は「間接強制」による（民事執行法１７２条）。（「何々を引き渡せ」という命令であれば、「直接強制」により強制執行されるが、「製造販売してはならない」という消極的な命令に対しては、直接強制の方法は採用されない。）さらに、差止請求権に付帯して、権利侵害行為を組成した物の廃棄、侵害行為に供した設備の除去等の作為債務の履行を求めることもでき（特許法１０１条２項、商標法３６条２項）、その場合の強制執行は「代替執行」による（民事執行法１７１条）。</p>
<p>間接強制とは、債務者に債務を履行しない場合に強制金の支払いを命じるものであり、金銭的な制裁を予告することで、債務の履行を強制させるものだ。特許権または商標権侵害の損害賠償額よりも高額の強制金の支払いを求めることで相手に心理的圧力をかけるものであるから、米国の三倍賠償と呼ばれる懲罰的賠償と似ているところがある。</p>
<p>このように知的財産権の差止請求の強制執行では間接強制という手段が使われ、結局のところ、金銭的補償で解決される（侵害製品はそのまま販売される）こともあるので、差止請求と損害賠償を別個のものとした対置しないで、両者を経済的補償の観点から捉え直すことも提案されている（弁護士三山峻司氏）。損害賠償は過去の損害を賠償するものであるのに対して、差止請求は将来に関することであるので、将来の侵害行為に対する金銭補償という位置づけになる。</p>
<p>さらにこれを押し進めれば、差止請求権のない特許制度の設計という考え方もありえるだろう（参考：<a href="http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/20091109.html" target="_blank">差止請求権のない新たな知的財産制度（特許2.0）の提案</a>）。ビジネスの現場では、強力な差止請求権をちらつかせながら、高額の損害賠償請求をすることも行われている（ブログ記事<a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/615" target="_blank">「米国特許法改革ー先願主義に移行するまでの長い道のり」</a>の「パテントトロールは今後、どう出るか？」参照）。特許侵害で事業にストップがかかると企業の息の根が止まってしまうこともあり、特許不実施主体（NPE）による差止請求権の行使を制限する動きがアメリカにはある（ブログ記事<a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/191" target="_blank">「製品の一部が特許を侵害している場合の製品全体の差止」</a>参照）。経済的補償だけで特許制度を設計し直すというのもありかもしれない。</p>
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		</item>
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		<title>もしソニーがiPhoneを作ったとしたら…</title>
		<link>http://iplawbusiness.net/blog/archives/553</link>
		<comments>http://iplawbusiness.net/blog/archives/553#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 06 Feb 2013 06:11:02 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Aquila]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ビジネス最前線]]></category>
		<category><![CDATA[知財実務]]></category>
		<category><![CDATA[米国実務]]></category>

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		<description><![CDATA[If Sony were to make an iPhone, what would it be like? 「もしソニーがiPhoneを作ったとしたら、どんなものになるだろうか」 アップルとサムスンがしのぎを削った米国 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a title="CIMG2945" href="http://www.flickr.com/photos/51035640635@N01/56653820/" rel=""><img class="alignleft" style="float: left;" alt="CIMG2945" src="http://farm1.staticflickr.com/29/56653820_b61b8dd1fc_m.jpg" /></a>If Sony were to make an iPhone, what would it be like?<br />
「もしソニーがiPhoneを作ったとしたら、どんなものになるだろうか」<br />
アップルとサムスンがしのぎを削った米国特許侵害訴訟。２０１２年８月２４日、カリフォルニア州連邦地裁の陪審評決によって約１０億５千万ドル（約８２５億円）の損害賠償額が認定された。この裁判では、米国の訴訟手続きにディスカバリー（証拠開示手続）と陪審制度がなければ決して知ることのできなかったアップル製品の開発秘話が明るみに出された。</p>
<p><span id="more-553"></span></p>
<p>アップルの秘奥と呼ばれるインダストリアル・デザインー二重の扉で厳重に秘密管理されたその部屋でアップルの新製品の工業デザインが開発されている。インダストリアルデザイン部門で設計された工業デザインはプロダクトデザイン部門で実際の製品に具体化されていくが、インダストリアルデザイン部門はアップル社内で絶大な権力をもっており、彼らの設計した工業デザインは製品化されるまで一切の妥協を許さない。</p>
<p><a style="line-height: 1.714285714; font-size: 1rem;" title="jonathan ive steve jobs pic" href="http://www.flickr.com/photos/32076467@N02/4472746446/" rel=""><img class="alignleft" alt="jonathan ive steve jobs pic" src="http://farm5.staticflickr.com/4020/4472746446_697d1fc828_m.jpg" /></a></p>
<p>ジョナサン・アイブはジョブズがアップルの製品をデザインする上で、最も信頼を寄せていたパートナーであり、ジョブズの右腕であった（<a href="http://www.thedonutproject.com/inspiration/an-interview-with-jonathan-ive/" target="_blank">An Interview with Jonathan Ive</a>にはジョブズがアイブとテーブルを囲んで親しく話す写真が掲載されている）。アイブは初代iMacから、MacBook、iPod、iPhoneと、主要製品すべてのデザインを担当した。iPhone開発当時、ジョブズとアイブのところにBusiness Weekに掲載されたある記事の切り抜きが回覧されていた。その記事がiPhoneのデザインが現在の姿になる大きなきっかけとなったという。</p>
<h4>ジョブズとアイブに回覧されたBusiness Week記事</h4>
<p>以下、問題のその記事を<a href="http://web.archive.org/web/20060223201443/http://www.businessweek.com/innovate/content/feb2006/id20060221_140419.htm?" target="_blank">2006年2月22日Business Week Online “Sony Strives for Original Design”</a>から翻訳して引用する。</p>
<blockquote><p>(記者)ウォークマンはイメージを一新して角が丸くなりました・・・iPodはあなたのデザインにどれくらい影響を与えましたか？</p>
<p>森澤氏（ソニーのクリエイティブディレクタ）：</p>
<p>…初代のウォークマンを見て考えました。「音楽をどうやってカタチにするのか」と。音楽にはカタチがありません。ただ流れるだけです。…</p>
<p>私は考えました。線に終わりがあってはいけないと。</p>
<p>それで丸い形を描き始めたのです。そして線を動かし続けました。</p></blockquote>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/02/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa.png"><img class="alignnone size-full wp-image-578" alt="図1" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/02/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa.png" width="1905" height="386" /></a></p>
<blockquote><p>森澤氏：</p>
<p>…</p>
<p>多くの他のプレイヤーにはスクリーンとボタンがありますが、私の最初のモックアップにはボタンがありませんでした。</p>
<p>…</p>
<p>背面はなめらかにしなければならないと考えました。エンジニアは背面を平坦にしたがりました。しかし、私は、背面を平坦にして音楽を聴いている人をいやな気分にさせたくありませんでした。私は二種類のモックアップを作ってエンジニアに違いを感じさせることができました。</p></blockquote>
<p>彼はさらに次のように記者に述べている。</p>
<blockquote><p>(記者)デザインに満足していますか？</p>
<p>森澤氏：はい</p>
<p>(記者)満足していないところは？</p>
<p>森澤氏：ボタンです。ボタンをつけない方法があると言いたいです。</p></blockquote>
<h4>ソニーのカリスマデザイナー森澤氏がデザインしたのは…</h4>
<p><img class="alignright" style="line-height: 24px;" alt="" src="http://img1.kakaku.k-img.com/images/productimage/fullscale/01307211193.jpg" width="230" height="173" /></p>
<p>森澤有人氏はウォークマンやVAIOなどをデザインしたソニーのカリスマデザイナーである（<a href="http://www.sony.co.jp/Fun/design/activity/product/walkman_01.html">Future Design WALKMAN® S Series</a>参照）。</p>
<p>森澤氏がデザインし、世に出したのはソニーのウォークマンの最新機種NW-A3000であった。世に出た製品には十字キーなどのボタンが残っていた。ボタンをつけないデザインへのこだわり。</p>
<p>角のない丸いカタチ、終わりのない曲線、なめらかな背面、そしてボタンがない。</p>
<p>森澤がデザインしたのはソニーのウォークマンだったが、そのデザインコンセプトはいかにもiPhoneのデザインを彷彿とさせる。</p>
<h4>もしソニーがiPhoneを作ったとしたら…</h4>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/02/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063.jpg"><img class=" wp-image-579 alignleft" alt="図2" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/02/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063.jpg" width="394" height="261" /></a>このBusiness Weekの記事を見たジョブズとアイブは「もしソニーがiPhoneを作ったとしたら、どんなものになるだろうか？」と考えた。そして、当時のアップルの<a href="http://www.shinproducts.com/work/PROFILE/NISHIBORI-PROFILE.html" target="_blank">日本人デザイナー西堀晋氏</a>にソニーライクなアップルのスマートフォンのモックアップを作らせたのである（<a href="http://cms2x.wired.jp/2012/07/31/apple-reveals-for-monday-trial/" target="_blank">アップル対サムスン裁判でわかった意外な事実5点</a>参照）。そのモックアップがこれである（<a href="http://assets.sbnation.com/assets/1257891/Samsung_unredacted_trial_brief.pdf" target="_blank">裁判資料</a>から引用）。ソニーのロゴまで入っているが、これはソニーが作ったものではなく、アップルの日本人デザイナが作ったモックアップであるから混乱しないで欲しい。この西堀氏のモックアップが初代iPhoneデザインを決定づけることになる（<a href="http://www.computerworld.jp/topics/614/204285">初代iPhone誕生前の“ソニー風”デザイン試作が発掘される　アップル対サムスン訴訟の裁判資料から明らかに</a>）。もっとも西堀氏のデザインは、丸みのある背面が特徴的だった初代iPhoneではなく、四角い形状のiPhone4を思わせるが。</p>
<h4>サムソン側弁護士がディスカバリーで収集した証拠</h4>
<p>西堀氏の証言：</p>
<p>「自分の作ったソニースタイルのデザインがiPhoneのプロジェクトの方向を変え、現在のiPhoneのデザインにつながった。」</p>
<p>デザイン責任者ジョナサン・アイブ氏に宛てたデザイナのリチャード・ハワース氏のメール：</p>
<p>「アップルが検討中だったiPhoneの別のデザインとは対照的に、西堀氏がデザインしたソニースタイルのデザインは、見た目がよりコンパクトで、耳に当てたりポケットに入れたときよりかっこいいプロダクトであった」と報告。</p>
<p>西堀氏のモックアップがiPhoneの現在のデザインを決定づけたとの西堀氏の貴重な証言（ディポジションで得られたものであろう）。そして、アイブ氏に宛てたメールでは、iPhoneには「別のデザイン」、すなわち、西堀氏のモックアップを見る前に考えていた当初のデザインがあったことが明らかにされる。アップルはこの当初のデザインを捨てて、西堀氏のモックアップのデザインに切り換えたようなのである。</p>
<p>アップルのiPodの登場が、ソニーのカリスマデザイナ森澤に刺激を与え、そのインタビュー記事を見たアップルデザイナ西堀がソニーライクなiPhoneモックアップをデザインし、それがiPhoneを登場させる。わくわくするようなiPhoneのデザイン開発秘話だ。</p>
<p>訴訟相手も知らないこのような開発秘話が裁判で飛び出すのは、米国の民事訴訟にはディスカバリーと呼ばれる強力な証拠開示手続があるからである（ブログ記事「<a href=" http://iplawbusiness.net/blog/archives/539">米国民事訴訟のディスカバリー（証拠開示手続）</a>」参照）。西堀氏の貴重な証言もディポジション（証言録取）というディスカバリーの手続の中で得られたものであろう。なお、ディポジションの逸話としては、時代を騒がせたハイパーネット特許の発明者であった板倉雄一郎氏のエッセイ<a href="http://www.yuichiro-itakura.com/essay/korinaikun/post_97.html" target="_blank">「懲りないくん」２００１年２月２５日号</a>が生々しく、かつ面白いので参照されたい。</p>
<p>アップルが独自性を主張するiPhoneのデザインのルーツはソニーにあったかもしれないーiPhoneのデザインの独自性を否定したいサムスンにとっては、好都合な証拠資料だった。</p>
<p>サムソン側弁護士はこの西堀証言の証拠採用を再三要求した。しかし、コー判事はこの証言は証拠能力がないとして取り合わなかった。なぜなら、モックアップはあくまでもアップルが作ったのであり、ソニーが考えたものではない。アップルのデザインの独自性を否定する証拠にはならないと考えられるからだ。</p>
<p><a title="apple-samsung-court-drawings-5_1_270x203" href="http://www.flickr.com/photos/88685480@N04/8280907557/" rel=""><img class="alignright" style="float: right;" alt="apple-samsung-court-drawings-5_1_270x203" src="http://farm9.staticflickr.com/8498/8280907557_a235b4b53a_m.jpg" /></a>判事に証拠採用を拒否されたサムスン側弁護士は、この後、ありえない行動を取る。メディアにこの証拠資料をリークしたのだ。アップル側弁護士は法廷を侮辱したとして制裁（サムソン側の敗訴）を判事に求めた。普段は冷静沈着なコー判事も法廷でサムスン側弁護士に怒りを爆発させた。証拠採用を訴えるサムソン側弁護士に「私から制裁を受けたいのですか。座りなさい」と一喝する場面もあった。</p>
<p><a href="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/02/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9.jpg"><img class=" wp-image-585 alignright" alt="図3" src="http://iplawbusiness.net/wp-content/uploads/2013/02/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9.jpg" width="240" height="180" /></a>ディスカバリーではサムソン側を決定的に不利にするいくつかの重要情報も発掘された。サムソンの意図的な特許侵害を裏付けるメールの存在が明らかになったのである。2010年当時のサムスン社内のメールには、グーグルの幹部がサムスンに対して、アップル製品にあまり似たデザインとならないように設計変更を求めた内容が記されていた。このメールは、サムスンがアップル製品の特許を故意に侵害したと陪審団に確信させるのに十分だった（<a href="http://dndi.jp/08-hattori/hattori_65.php" target="_blank">第65回｢アップル/サムスン特許訴訟の約800億円の評決は妥当か｣（米国特許弁護士服部健一氏）</a>参照）。</p>
<p>その他、この裁判では、ジョブズらは、iCarの開発を考えていたことなども公判における証人尋問から明らかになっている。</p>
<p>秘密主義に徹するアップルであっても、アメリカの民事訴訟のディスカバリーの前では厚いベールの内側を見せるのであった。生前は「偽物コピーは許せない。つぶしてやる」と怒りをあらわにしていたスティーブ・ジョブズであったが、彼が生きていたら、開発現場の秘密が法廷で次々と明かされていくことを望んだかどうかはわからない。</p>
<p>関連投稿：<a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/521" target="_blank">Apple vs Samsung 特許侵害訴訟ーカリフォルニア州連邦地裁陪審評決</a></p>
<p>関連投稿：<a href="http://iplawbusiness.net/blog/archives/191" target="_blank">製品の一部が特許を侵害している場合の製品全体の差止</a></p>
<p>関連投稿：<a href=" http://iplawbusiness.net/blog/archives/539">米国民事訴訟のディスカバリー（証拠開示手続）</a></p>
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